貴乃花「協会と戦っていく」の宣戦布告と”池坊保子の嘘”に言及の背景

デイリーニュースオンライン

Photo by PHOTO AC(写真はイメージです)
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 元横綱・貴乃花親方(45)が4ヶ月間の沈黙を破り、1月7日放送の『独占緊急特報!!貴乃花親方すべてを語る』(テレビ朝日系)に出演し、暴行事件の経緯や日本大相撲協会による理不尽な仕打ちについて激白した。

「番組の中でいくつかの新事実が判明しました。一番大きかったのは、協会から貴乃花に被害届を取り下げるよう要請があったことです。昨年11月の九州場所開催中に貴乃花は呼び出されています。その場にいたのは八角理事長(54)をはじめとする執行部の面々。そこで協会側は『内々に』と言い置いた上で、被害届を取り下げるよう要請したようです。貴乃花もハッキリ口を開こうとしませんでしたが、山本監督が『被害届を取り下げる要請があったと考えてよろしいですか』と2度聞き、貴乃花は『そうですね、はい』と苦しそうに答えました」(週刊誌記者)

 同番組は、映画監督・山本晋也(78)が貴乃花に理事選の前と後の2度に渡り独占インタビューした映像に、ワイドショーの映像などを加えて再編集したものだった。貴乃花は一貫して、言葉を選んでおり、貴ノ岩への暴行へは洗いざらい話すといった感じだが、個人攻撃や協会自体を非難することはしていない。だが、それだけに協会の隠ぺい体質が証明されたことは衝撃だった。

「他には、貴乃花がマスコミで反論しないのををいいことに、池坊保子女史(75)が貴乃花が『理事解任を了承した』と嘘をついていたことも判明しました。これには貴乃花も『協会からの電話は事務員の方が”報告するだけなんですけど”と伝えており、そのやりとりの中で”はい”と応答したが”了承する”とはひと言も言ってない』とし、『(降格処分を)認められるものではない』と声を荒げるシーンもありました。そして、力強く『気持ちは(協会と)戦います!』と宣言していました」(同記者)

 沈黙を続けた貴乃花の激白に、放送中からネットSNSでの反響は大きかった。だが、その一方で物足りないとの声も少なくなかった。それは不仲が噂された横綱・白鵬(32)についての名指しでの発言がなかったことと、体罰問題と並んで議論の中心だった「八百長」問題についての言及がなかった点だろう。だが、貴乃花は八百長について「父の思い出とともに遠回しに決意表明していたのではないか」と前出記者は説明する。

■父から受け継いだ宿命とは妥協なき”ガチンコ相撲”のこと?

「番組の後半は、貴乃花の人となりと半生を振り返る構成になっていました。その中で、貴乃花は父である元大関・先代貴乃花について『(自分は)おやじの“分け身”。おやじが自分の中に入ってるような感じ』といい、(心の中に生きてる父親の存在がなければ)『宿命に挑まなかった』と説明しています。貴乃花にとって、この宿命という言葉は、ずばり”ガチンコ相撲”を指すのではないでしょうか。兄・花田虎上氏(若乃花/47)とは『宿命が違っていた』と説明をしていました。貴乃花といえど、八百長について直接的な言及はできないので、そんな表現を使ったのかもしれません」

 貴乃花は『Number』(文藝春秋社/870号/15年1月発売)の中でも、父について「入門した時から、私は父の“分け身”だと思ってやってきた。大関で土俵人生を終えた父の代わりに、自分がその上を目指していく。それが私の原動力でした」と語っている。妥協のないガチンコ相撲ゆえに、確かな実力を持ちながら大関で終わった先代の父。その父の果たせなかった夢を叶えた貴乃花。貴乃花の目指す相撲道とは、弟子たちにその遺伝子を受け継いでゆくことなのかもしれない。

文・麻布市兵衛(あざぶ・いちべい)
※1972年大阪府出身。映像作家、劇団座付き作家などを経て取材記者に。著書は『日本の黒幕』、『不祥事を起こした大企業』(宙出版)など多数あり。
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