漫画村に業界全体が危機感?日本漫画家協会が荒稼ぎ海賊版サイトを告発

デイリーニュースオンライン

Photo by Foto-Rabe(写真はイメージです)
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 漫画家・ちばてつや(79)が理事長をつとめる日本漫画家協会が2月13日、ネット上で勢いを増す「海賊版サイト」について、危機感を訴え、読者に利用をやめるよう促す声明を出した。声明では「全く創作の努力に加わっていない海賊版サイトなどが、利益をむさぼっている現実があります」と指摘。さらに、海賊サイトが読まれる状況が続けば「日本のいろいろな文化が体力を削られてしまい、ついには滅びてしまう」との見方を示している。

 固有名称を出すと宣伝をすることになると考えているのか、協会は名を挙げていないが、ここでいう「海賊サイト」とは、おそらくベトナムを拠点においた「漫画村」を指しているのだろう。ネット上に落ちている画像をコンピュータで収集して、保存しているウェブ型のクローンサイトである。

 古今の人気漫画から、発売週の週刊漫画誌まで無料で読めてしまうので、小中学生から大人まで急激に広まっている。もはや名を伏せようが勢いは止まらない。今年1月時点で、なんとアクセス数は日本で31位。ユニークユーザー数は月間利用者数は9892万人にも膨れ上がっている。

 では、なぜ漫画家たちを蹂躙するこのようなサイトを、出版社が手をこまねいているのか。理由は主に2つある。一つには、著作権のある漫画をアップロードする投稿者は違法行為を犯しているが、漫画村自体はそれを自動で集めて拾ってきているだけという”言い分”によって運営されている。漫画村としては違法行為を犯しておらず、アップロードした人間を一人一人捕まえて下さいと逃げが打てる作りというのだ。

 2つ目の理由は、漫画村の拠点であるベトナムは「万国著作権条約」に加盟してないので日本の著作物は保護されておらず、法的に手が出しづらいという点もある。

 昨年まで同じような口実を謳っていた無料漫画サイト「Free Books」に対し、講談社などの大手出版社が著作権侵害にあたるとして対抗措置を取り、5月に閉鎖に追い込んでいる。それはFree Booksの拠点は同条約に加盟するアイスランドだったことが大きく影響している。漫画村は拠点がベトナムということもあって、対抗策に難航しているというのが現状だ。

 実際に第一線で漫画に携わる編集者は、「もはや倫理に訴えてみたところで一度勢いのついた無料化の勢いは止めることは難しい。仮に漫画村を営業中止に追い込むことができたとしても、第3、第4の海賊サイトが出現するのは容易に予想がつく。ならば漫画家・赤松健の提案する『マンガ図書館Z』のように、業界内で無料化をベースにした広告収入再分配のビジネスモデルを考えなおす時期に来ているのかもしれない」と業界全体の対応の遅さを嘆く。

 出版・漫画業界は過去にも電子化の波を読み違え、業界自体を縮小させてしまった過去がある。今回は後手に回らず、著作者たちを守ってもらいたいものである。

文・麻布市兵衛(あざぶ・いちべい)
※1972年大阪府出身。映像作家、劇団座付き作家などを経て取材記者に。著書は『日本の黒幕』、『不祥事を起こした大企業』(宙出版)など多数あり。
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