自民総裁3選を阻止する 額賀派分裂クーデター政界裏

週刊実話

 年明け早々、自民党第三派閥の額賀派(額賀福志郎会長)でクーデターが勃発。秋の総裁選での安倍首相の3選へ向け、最大の障害になり始めている。
 「総裁候補をしばらく出していなかった額賀派では、議員間に不満がたまり、ついに参院議員21人が安倍シンパの額賀氏に会長退任要求を突きつけるクーデターに打って出たのです。額賀氏を降ろした後は、別の候補に乗り換えて戦う“新額賀派”に脱皮しようという腹。となると、安倍首相は額賀派をアテにしていた思惑が大きくはずれる。それ以上に恐れるのは、この流れに引かれるように、他派閥でも安倍3選を見直す空気が生まれることです」(全国紙政治部記者)

 額賀派といえば、かつて吉田茂元首相派を起源に持ち、田中角栄元首相の流れを汲んで竹下登、小渕恵三、橋本龍太郎と、歴代首相を務めた自民党の奔流として中枢を支えてきた名門派閥。常に100人を超える議員を抱え総裁選のイニシアチブを握ってきた。しかし、2001年の総裁選で橋本氏が小泉純一郎元首相に敗れてからは鳴かず飛ばずで、安倍首相が出る細田派(細田博之会長)にお株を奪われる体たらくが続いていた。
 「こうなった責任も、10年近く派閥領袖でありながら一度も総裁選にさえ出馬できない額賀氏にあるというのが、クーデター派の言い分。この21人のボスは吉田博美参院幹事長で、背後には、政界引退後も参院額賀派に隠然たる力を持つ青木幹雄元官房長官がいると言われている」(自民党関係者)

 その青木氏は、ある青写真を描いているふしがあるという。
 「青木氏はまず、同郷の竹下元首相の異母弟である竹下亘総務会長を、自民党内の最大級の実力者に押し上げる。その後、息子の青木一彦参院議員を総裁選に一度は出馬させたいという思いがある。そこで、そのつなぎ役として、石破茂氏を総裁に押し上げる野望を持ち始めたというのです」(前出・記者)

 石破氏はかつて、自民党を飛び出したことがあるが、戻ったのは額賀派だった。
 「青木氏とすれば、その際に拾ってあげたのに、その後、無断で無派閥になったことから、石破氏のイメージは最悪だったのです」(自民党ベテラン議員)

 ところが青木氏の引退後、一彦氏が参院選に出馬すると石破氏が全面支援し、関係は完全修復したという。
 「青木氏は今回、額賀氏をクビにして額賀派を石破支持にしたい考え。青木氏は岸田派(岸田文雄会長)の名誉会長でもある古賀誠氏と通じ、頻繁に情報交換している上、実は安倍政権を支える二階俊博幹事長ともツーカーなんです。3人は安倍首相の改憲論には乗り気ではなく、重鎮揃って石破氏を押すようなことがあれば安倍3選に一気に暗雲が立ち込める」(前出・記者)

 火の手は方々から上がり始めている。

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