音読、お風呂…今日からできる!語彙力を高める方法――【言葉の専門家×若者】社会で活躍するための“語彙力”基礎講座<後> (2/7ページ)
―― 一体どうすればいいのでしょうか?
山口:まず覚えておいてほしいのは、私たちが普段生活する中で使う基礎語と呼ばれる言葉は高校を卒業するくらいまでにほとんど学んでいらっしゃいます。そこからさらに語彙力を広げようとするならば、言葉を組み合わせた熟語などを覚えて、増やしていけばいいんです。
岩崎:増やしていくといっても、具体的にどうすればいいのでしょうか? 普段の生活の中でできることとかあれば教えてほしいです。
山口:効果的なのは音読ですね。声に出して読む。今って、本を読むときも黙読ばかりでしょ? 音読というのは、目を使い、口を使い、耳を使って言葉を自分に染み込ませます。黙読は目だけなので、自分に嘘をつけるんです。分かった気になれてしまう。そうなると、語彙力は付きません。
秋吉:ただ、なかなか音読できる場所がないんですよね。
山口:そう。そこでおすすめがお風呂です。湿度が高いので喉にも優しく、音が響くので、自分の声がいい感じに耳に伝わります。また、音読は滑舌をよくするためにも役立ちます。そうやって言葉を自分に染み込ませていく。リズムで覚えていくんです。
――これは繰り返しが必要ですよね。一度だけでは身に着かないというか。山口:1分でも2分でもいいんです。繰り返しやりましょう。例えば、誰かからすごく読みごたえのあるメールをもらったとします。こんなメールを自分も書きたい。そう思ったら、印刷してお風呂に持っていって、湯船に浸かりながらそれを読むんです。
ただ、文章なら何でも良いというわけではもちろんありません。