平安時代の雑学【1】この世の春を謳歌した平安貴族、その生活ぶりはなかなかカオス (2/2ページ)

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私達の感覚では、お昼ご飯を摂ってから続きをするのかな?と思いがちですが、何とそれで政務はおしまいなのです。

今でも早朝勤務する人は帰宅時間も早いものですが、午前で終わると言う人はなかなかいません。しかも、帰宅してから正午くらいに“朝食”(朝粥は朝食では無かった)を食べ、それからは和歌や史書などの勉学、蹴鞠に代表されるスポーツをする人もいれば、すごろく、貝合わせなどで遊ぶ人もいました。

ここまで見ると、
「勉強や鍛錬ならまだしも、昼間から堂々と遊べるなんて凄く羨ましいな」
と思った方も多いことでしょう…筆者もその1人です(笑)。しかし、貴族の遊びは社交儀礼につながっており、遊びをこなせない人は好ましくありませんでした。

教養としきたりが重要視された朝廷で、天皇や大臣と言った方々をサポートし、時には導くのも貴族の仕事です。妻ないしは夫を得るためにも、“あのお方は素晴らしい教養をお持ちだ”と称えられるような箔を付ける必要だってありました。つまり、貴族の遊びは宮廷社会で生きるために行う、いわば命懸けのものとも言えたのです。

午後4時になると夕食の時間となり、日没には就寝して明日に備えますが、夜の儀式や宴、仕事などがある時は、徹夜をした人もいたと言います。

どうですか?これがこの世の春を謳歌した平安貴族の一日のスケジュールです。一見すれば上級貴族らしく優雅ですが、かなりハードな部分もありましたし、下級の貴族(つまり役人、武将)ともなれば現代のように長時間勤務もあったそうです。仕事をするともなると苦労が絶えなかったのは、平安時代の貴族も現代の社会人も変わりないのかも知れませんね。

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