「新橋・渋谷・新宿」東京都心“震度6強”で倒壊するビル名を発表

週刊実話

 「建物ごとの耐震性を都民に周知することで、所有者が自覚を持って取り組むことを促し耐震化につながる」と、小池百合子知事は3月30日の記者会見で建物名も含めた耐震診断結果を公表した。東京都は3月29日、1981年5月31日以前の旧耐震基準で建てられた建築物の耐震診断結果を発表したが、建物名を発表したのは初めてのことだ。
 調査結果によれば、特定緊急輸送道路沿道では449棟中3%にあたる139棟、商業施設など不特定多数の人が利用する大規模建築物については398棟中4%にあたる17棟が、震度6強〜7で倒壊する可能性が高いことが判明。調査対象全体で見れば実に18%が同様の状態になる可能性が高いことが分かったという。

 防災ジャーナリストの渡辺実氏はこう言う。
 「幹線道路の沿道の建物の耐震化率は7割になったというが、それは物の言いようで、決して楽観視できるものではない。我々は首都圏を襲う巨大地震について東日本大震災のイメージを抱きがちですが、実際は直下型の阪神淡路大震災を想定しなければならない。今回、名前が挙がった新橋駅前の『ニュー新橋ビル』(港区)には多くの居酒屋が入り、客は昼夜問わず飲んでいる。そこへ逃げる間もない震度6以上の直下型地震が発生した場合、多くが生き埋めになり、即死する人も出てくるでしょう」

 診断結果は、震度6強以上で倒壊または崩壊の「可能性が高い」「危険性がある」「危険性が低い」の3段階で示されている。特定緊急輸送道路沿道では前述の「可能性が高い」31%のほか、「危険性がある」も15%の68棟もある。
 また、大規模建築物は「危険性がある」が7%の27棟で、「可能性が高い」17棟の大規模施設には『ニュー新橋ビル』のほか、紀伊国屋書店が入る『紀伊国屋ビルディング』(新宿区)、商業施設の『渋谷109』(渋谷区)など、都内に住む人であれば誰もが一度は利用したことがあるビルもある。2019年度に耐震改修に着工する。
 「今回の発表は震度6強〜7が一度起きた場合の発表ですが、専門家の間で危惧されているのは、200年周期で起きるM8クラスの直下型と、それにともない連続して起きるM7クラスの直下型の連続発生です。一度ならず二度、三度と余震が起きれば、当然、倒壊する建物は増えてくる。そうした実際の状況を考えれば、現在の耐震基準をクリアしているビルとて、倒壊する場合も出てくるのでは」(サイエンスライター)

 商業ビルなどに居る場合は、出入口に殺到すると将棋倒しになってしまう危険性がある。また、外に出る際、窓ガラスなどが降ってくる可能性もあるので大変危険。上着などを厚めに畳んでヘルメット代わりにして頭部を守ることが大切だ。

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