AIもうつ病になる?人間と同じように思考するAIは将来的に心を病む可能性がある(国際シンポジウム) (2/3ページ)

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 セロトニンとは神経修飾物質という神経伝達物質の一種で、脳の大きな領域間のメッセージ送信に利用される。

 脳が変化に適応する上で、セロトニンが大きな役割を果たしていることが、これまでの研究から明らかになっている。

 「幸福と関係するというのがセロトニンのイメージですが、セロトニンニューロンが送信するメッセージは、”うわっ”といった驚きに関連します。古くなった考えを打破したり、抑制するには特に重要であるようです」

 この意味でマイネンは、うつ病は、脳が変化に適応できない状態とみなせるかもしれないと述べている。彼は、その一例として、重傷を負ってうつ病になった人がその障害に対応できなかった事例を挙げている。

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 マイネンによると、選択的セロトニン再取り込み阻害薬や幻覚剤のシロシビンのような薬は、脳の可塑性を育むことで、うつ症状を緩和することができるという。


・汎用型人工知能に必要なセロトニンの機能が人工知能をうつ病へ

 今後人工知能を、様々なタスクを行なう汎用型人工知能にするは、人の脳におけるセロトニンの働きと似たような機能を持つ、制御メカニズムを内蔵する必要があるかもしれない。

 このメカニズムは機械を新しい状況に迅速に適応させるためのものだが、特定の思考パターンを強固にさせることで、人工知能はうつや幻覚など、人間の精神疾患のような症状が出る可能性があるという。

 コンピューター神経医学は、AIアルゴリズムの研究によって、人工知能が人間のうつ病患者や幻覚を理解できるという前提に基づいている。

 その症状を知りつくしたAIがうつ病にならないとは言い切れないのだ。
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