天才テリー伊藤対談「小松政夫」(2)植木さんの睡眠は1週間で10時間!? (1/2ページ)
テリー 小松さんは、なんで植木さんの弟子になることを選んだんですか?
小松 植木にも同じことを聞かれました。でも、そんなこと言われても、自分でもよくわからない。だから「“こっちがいいか、あっちがいいか”と考えて、こっちに来ました」と言いました。そしたら植木が、「うーん、わからない気がしないでもない。俺も坊主になるかミュージシャンになるか、ずいぶん悩んだけど、こっちがいいと思って来たから」って言ったんですよね。
テリー 小松さんが運転手になった時、すでに植木さんは日本一の人気者ですよね。
小松 そうです、「スーダラ節」の大ヒット後でしたから。私もいろいろなスターを見てきたし、話も聞きましたけど、もう植木はすごかったです。だって有楽町にあった日劇なんて、出口が1つしかないんですけど、そこに学生からお年寄りまで1000人ぐらいが出待ちしているんです。
テリー うひゃー、すごいなぁ!
小松 大変な人だかりで、まともに歩けないんです。で、普通なら女の子がワーキャーなんでしょうけど、植木の場合、おじいちゃん、おばあちゃんたちが出口をジッと見据えてて(笑)。で、そんな中を私が先陣切って「どいてくださーい!」って叫びながら飛び込んでいくんです。
テリー うわーっ、それ、怖いですよね。
小松 ええ、もしかしたら刃物を持った人が飛びかかってきて、ブスッといかれるかもしれないですから(笑)。だから、強行突破で行く時は、いつも必死でしたね。
テリー その頃、植木さんに休みはあったんですか?
小松 ありましたよ。1週間で10時間とか。