シンプルながら熱中した昭和の「相撲玩具」 (2/2ページ)
下箱の中には空気ポンプからチューブを通して送られる圧力によって動く紙製のふいごが仕掛けてあり、その上下動が怪獣を支える針金を微妙に揺すります。
組み合った2匹の怪獣はガチャガチャという音とともに小刻みに揺れ、バランスが崩れた刹那、どちらか一方の怪獣は尻もちをつく、というものでした。
ひとり遊び用のおもちゃで、対戦する醍醐味に欠けますが、怪獣の意外な動きに面白さがあり、思わず熱中してしまいます。ちなみに、お相撲さんが取り組むバージョンもありました。本来はそっちが先にあって、1966年の第1次怪獣ブーム時に、怪獣の姿に改造されたのだと思われます。
このところ続いた不祥事で評判を落としている相撲界ですが、相撲は平和や豊穣を願う神事の側面もあります。先ごろ起きた土俵の女人禁制問題で露呈した相撲協会と世間の認識のすれ違いを一刻も早く解消し、本来の勝負の面白さで盛り返してもらいたいものです。そして、日本も相撲界もトントン拍子で発展することを願っています。
(写真・文/おおこしたかのぶ)