日大、喧噪のなかトライラッシュ。中大は防御完成へ「産みの苦しみ」。 (2/2ページ)

ラグビーリパブリック

まだまだダメだと言われますが、(味方が)抜けたら外で待つ…と」

 1年時から公式戦に出場する杉本はこの日、高い打点でのハイボール捕球や簡潔な走りで勢いをもたらす。

 

 後半4分には敵陣10メートルエリア右中間で、大外のスペースへ大きく膨らむコースを取り突破。クワークのトライをおぜん立てし、36-12とリードを広げていた。26分にはこちらも敵陣10メートルエリアでインターセプトを決め、自身2発目となるフィニッシュを決めた。

 もっとも当の本人は、謙虚だった。

「まだ全然…。身体がきれていません。3年目になって、やっと日大の攻め方がわかってきた。1年の時は先輩たちに迷惑をかけないように…という感じでしたけど、3年目になって(チームを)引っ張っていかなきゃなという気持ちが出てきました」

 一方で敗れた中大は、中山浩司ヘッドコーチ(HC)いわく「意識してディフェンスの練習をやってきたのですが…」。鋭く前に出る防御を意識するなか、境界線を飛び越えてプレーするオフサイドの反則を取られ続けた。FBの重松隆宏は何度も滞空時間の長いキックを蹴ったが、その先でのチェイスラインを日大BK陣に破られる。

 攻めてはペナルティキック獲得後のラインアウトからのムーブ、モールでスコアを重ねたが、本来の看板たる防御に課題を残した。戦い終えた選手一人ひとりへ丁寧なヒアリングをしていた中山HCは、ここまで大会0勝3敗のチームをなんとか前向きにさせたいという。

「ディフェンスでは、中途半端に出るのではなく思い切って出ようという形にしています。いまは試合ごとに違う課題が出ていて、それををひとつずつ潰している段階。痛みが伴っています。(この日は)突破された後にボールの位置をチェックできていないことが(オフサイド)の原因となりました。少し、余裕がない選手もいたんです。そんなに焦らなくていいのに、ちょっとでもゲインされたら『どうしよう』『誰が誰を見るの?』と。それで結局、ボールが出た時にはオフサイド。落ち着いて、前を向いて、周りと連携を取りながら守れば全然いけるよと話しているのですが…。ここは、練習でやっていくしかないですね」

 両軍とも、シーズン本番の秋に向け丹念なトライアル・アンド・エラーを重ねる。

(文:向 風見也)
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