日大、喧噪のなかトライラッシュ。中大は防御完成へ「産みの苦しみ」。 (1/2ページ)
引き続き、襟元を正して競技に没頭するだけだ。
関東大学リーグ戦1部で前年度6位の日大ラグビー部は、5月27日、東京・中大グラウンドで関東大学春季大会・Bグループの3戦目に挑み、中大に55-31で勝利。大会戦績を2勝1敗とした。
海外出身者が躍動する。
アウトサイドCTBのフレイザー・クワークは、長いリーチを活かしたオフロードパスも披露。自らも2度インゴールを割った。
さらにNO8のシオネ・ハラシリは、「レッグドライブ!」。序盤は中大の鉈(なた)のようなロータックルに手を焼いたが、時間を追うごとに真っ向勝負を仕掛けられるようになった。
中野克己監督が「(もともと)ボディーコントロールが上手な選手。これからもまだまだ伸びる」と目を細めるかたわら、シオネは前半15、32分にトライ。敵陣ゴール前右中間での突進で自身2トライ目を取った頃には、26-7と大きく点差を開いていた。
「アタックでもディフェンスでも、足りないところがある。また明日から、頑張ります」
日大のアメリカンフットボール部の反則指示疑惑が連日報じられるなか、クラブにはラグビーとアメリカンフットボールを混同する市民から幾多のクレームが届く。不条理にさいなまれるなか、中野監督は「卑下する必要はないけれど、これまで以上に神経質になっていこうという話はしています」と言葉を絞る。日々の練習へタフに挑み、以後はより丁寧な試合運びを目指すという。
チームは現在、元日本代表FBの今泉清氏を控え選手のスキルアップのため週末コーチとして招へい。今季から2から3に広がった外国人枠を活用すると同時に、日本人選手を含めた戦力の底上げを図っている。
その今泉氏が試合後に「辛口にお願いします」と笑って肩を叩いたのは、ちょうど取材を受けていたWTBの杉本悠馬だ。出身の栃木・佐野日大高で、臨時コーチだった今泉氏の指導を受けたことがあった。
「高校の頃は今泉さんの言っていることが高度すぎて…というふうでしたが、大学に入って言っていることがわかるようになった。