江戸時代のおしゃれ事情。シャンプーは10日に1回、洗髪は半日がかり!?

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江戸時代のおしゃれ事情。シャンプーは10日に1回、洗髪は半日がかり!?

年代や地域によっての違いはありますが、江戸時代、髪を洗うのは7日~10日に1回くらい。江戸は埃っぽいと言われていたのに、髪が汚くならないの?と思ってしまいますが…髪結床は決して安くはなかったのと、せっかく結った髪を10日以上持たせたいという気持ちがあったのですね。意外なことに、この洗髪は江戸の風習で、上方の女はめったに洗わなかったそう。

「江戸名所百人美女 今川はし」歌川豊国

洗髪は半日がかり

洗髪するとなったら、一大事。半日がかりになるほど、大変だったのです。まず、鬢付油(びんづけあぶら)でしっかり塗り固められた日本髪をほどきます。次にブラッシングしてフケや汚れを落としたら、いよいよシャンプー!ふのり(海藻の一種)を熱いお湯に溶かしてうどん粉を混ぜたものをシャンプーとして使っていました。脂やニオイをスッキリと落とし、髪のツヤも引き出してくれると、ふのりのシャンプーは大人気!熱いうちに髪にすりこむのがポイントだとか。

もみ洗いして熱いお湯ですすいだら、水で流します。もちろんドライヤーというものはなかった時代なので、そのまま乾かすだけ。天気のいい日の洗髪が基本でした。そして髪が乾いたら、丁寧にブラッシングして髪をきちんと整えるのです。女性によっては、洗い上げた髪のまま梳くのが粋とされていました。

髪を結うのは自分で

男性の場合、月代(さかやき)を剃ったり髷(まげ)を結うため、髪結床にお世話になっていましたが、女性は遊女以外は自分で結っていました。結髪時に使う油は、無臭の胡桃脂が上、胡麻油が下、伽羅油が高級品でした。

川瀬巴水作「ゆく春」

庶民にとっては、伽羅油はなかなか使えないものだったのでしょう。江戸の髪型といえば、頭頂部で2回折り重ねて結びとめるのが基本でした。といっても、女性はオシャレ大好き。衣服によって髪型が変わるのは、いつの時代も同じです。地味な格好のときは髪型も抑えたものになるし、ここぞというときは髪型も華やかに。

ちなみに、武家の娘は、現在の花嫁姿でも知られる文金高島田の島田髷でした。この島田髷だけでも数十種類あったそう。

髪飾りも、大事なポイントです。かんざしやくしをはじめとした様々なアイテムがあり、髪型が華やかになるにつれて髪飾りも華やかにしていたとか。文化・文政年間は、髪飾りが最も流行った時代。横幅7~8寸の大型の飾り櫛や、花の簪(かんざし)の先端に数筋の細い銀鎖を下げて、鎖の先に小さな花や鳥の飾りをつけた「びらびら簪」というものまで、登場しました。

髪を洗って、結って…と、女性がキレイな髪をキープするのは、かなりの重労働だったのです。それでも、オシャレのためなら!と頑張れるのが、女性なんですね、きっと。

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