トランプきつねvs金正恩たぬき「非核」化かし合い最後の一手 (1/3ページ)

週刊実話

 歩み寄っているように見える両国のコンセンサスは依然として不透明なままだ。米国は「完全かつ検証可能で不可逆的な核廃棄=CVI“D”」を北朝鮮に要求し、片や北側は米国に「完全かつ検証可能で不可逆的な体制保障=CVI“G”」を求めている。
 トランプ米大統領はロイター通信のインタビューで、米朝首脳会談が「複数回となる確率が高い」と述べた。つまり、この“D”と“G”のせめぎ合いは、6月12日の世紀の会談以降も続くということだ。

 北朝鮮の核放棄への現実的なシナリオは、現在の流れでいけば「当面の非核化」以外にない。また“D”と“G”のせめぎ合いについては、その前提として(1)米国は北への軍事介入、体制崩壊を模索しない、(2)米国は北の体制保障に関する何らかの外交文書をまとめること。以上について、ポンペオ長官と金英哲党副委員長との情報機関元トップ同士が攻防を繰り広げている。
 ちなみに北朝鮮側が言う「体制の保障」とは、米軍特殊部隊による金正恩党委員長“斬首作戦”の中止を意味するだけでなく、朝鮮半島全体の非核化、在韓米軍の縮小および撤退だ。

 トランプ大統領は北の核放棄を迫る一方で「最大限の圧力という言葉はもう使いたくない。北朝鮮への経済支援は韓国がするだろうし、中国も日本も支援するだろう。米国が支出する必要はない」とツイートしたように、カネは出さないが“D”と“G”をリンクさせるような姿勢を見せている。この真意はどこにあるのか。
 「金ファミリーの“執事”といわれる金昌善国務委員会部長がシンガポール入りし、会談会場などの細かい警備態勢の確認作業を進めるなど、正恩委員長サイドは相当神経質になっている。正恩委員長の留守中、ナンバー2である金与正が身重であることから『6・12クーデター』が起きるのではと、国外に出ることにビビりまくっているフシがあるのです。これまで先代2人の外国訪問が発表されたのは帰国後でした。それが金三代の危機管理のノウハウだったのですが、今回は12日に正恩委員長が留守になることは国内外に知れ渡っています。イラン-北朝鮮ラインを嫌う某国の諜報機関は、シンガポールに拠点がありますからね。

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