秋津壽男“どっち?”の健康学「梅雨の時期に痛みが増す関節リウマチ。関節の変形など厄介な症状と向き合うには」 (1/2ページ)

アサ芸プラス

秋津壽男“どっち?”の健康学「梅雨の時期に痛みが増す関節リウマチ。関節の変形など厄介な症状と向き合うには」

 新緑を過ぎるとやってくる梅雨の時期。夏の暑さを感じ始め、同時に雨が多くなるこの時期は、1年で最もうっとうしい季節です。倦怠感、食欲不振、ぜんそく、水虫やアトピーなどの皮膚病などに悩まされる人も少なくないでしょう。

 中でも関節リウマチは梅雨入りすると痛みを訴える人が増えます。関節リウマチで怖いのは上半身と下半身のどちらでしょうか。

 いちおう、説明しておきますと、関節リウマチは関節が炎症を起こし、軟骨や骨など関節の機能が損なわれる疾患です。放っておくと関節が変形してしまうばかりか、腫れや痛みが強く出るために関節の病気の中でも特にやっかいとされています。ふだんは体の外から侵入するばい菌から自分の身を守る免疫が、間違って自分自身の関節を攻撃するのが関節リウマチのシステムであり、医学的には「自己免疫疾患」と呼んでいます。

 一般的に、関節の痛みは気圧に左右されるため、梅雨の時期になると症状が深刻化するのです。その理屈は、関節が骨と骨のつなぎ目を覆う役割をしていますが、この袋が気圧の低下とともに膨らむことで痛みを感じるわけです。

 富士山頂に袋のポテトチップを持ち込むと、パンパンに膨らみます。これは山頂=空気の薄い場所に上ったことで起こる現象ですが、この原理と同じで、人間の関節も低気圧の影響により膨れて痛みが生じます。ひどい場合には低気圧が近づく以前に痛みを覚えることもあり、九州に台風が上陸しただけで、東京の患者の関節が痛みだすことも珍しいことではありません。

 しかも関節リウマチは放っておくと骨が壊れたり変形して動かなくなります。最悪の場合には、歩けなくなることすらあるのです。二足歩行する動物である人間は歩行困難になると急激に体が衰弱します。そう考えると、上半身よりも下半身の関節リウマチのほうがより怖い病気と言えます。

 関節リウマチの症状は、目覚めた直後に出やすい傾向にあります。初期症状は「起きると手足のこわばりが30分以上続く」のが一般的で、手がこわばる場合、パジャマのボタンが外しにくくなったり、テレビのリモコンが押しにくくなります。

「秋津壽男“どっち?”の健康学「梅雨の時期に痛みが増す関節リウマチ。関節の変形など厄介な症状と向き合うには」」のページです。デイリーニュースオンラインは、週刊アサヒ芸能 2018年 6/21号関節リウマチ“どっち?”の健康学秋津壽男梅雨カルチャーなどの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る

人気キーワード一覧