「準備の大切さ」を痛感した日本代表・姫野、恩師の応援を背に地元で爆発を。 (1/2ページ)
チャンスでノックオンを重ねた。ラグビー日本代表の姫野和樹は、肩を落とす。
「正直、全然だめです。納得できないまま終わってしまいました。相手がプライドを持ってやってくるのはわかっていたのですが、それに対応できなかった。あれじゃ勝てないな、というところです」
6月16日、兵庫・ノエビアスタジアム神戸。イタリア代表戦にNO8として先発フル出場も、22-25で敗れた。
3-12とビハインドを背負った前半終了間際には、敵陣中盤右ラインアウトからの左への連続攻撃のさなかボールを落とす。さらに3-19と点差を広げられていた後半12分頃には、敵陣ゴール前右でモールの左脇から飛び出しながら落球。持ち前の突進力を活かしきれず、チャンスを逃した。
「汗で滑ってもいましたし、ボールを触る機会も少ないこともありましたが…。言い訳はしたくないので、自分の力不足、ということで」
昨季初の代表入りを果たした身長187センチ、体重108キロの23歳は、「準備が何より大事だな…と感じました」。実は9日に34-17で勝ったイタリア代表との第1戦(大分・大分銀行ドーム)の試合終盤、足首をひねり退場。翌週前半は練習見学を余儀なくされた。
2連戦の2戦目を落としたことで、一層の悔いが残った。
「まずは治療に専念という形で、僕自身、準備が満足にできなかったと感じました。その前の試合のラスト数分で怪我をしてしまったことに対して、反省…と、思っています」
姫野ら代表勢がつかの間のオフを過ごしていた翌17日、愛知・パロマ瑞穂ラグビー場で東海高校大会があった。
愛知、静岡、岐阜、三重の上位校が集うこの地区大会で6連覇を果たしたのは、近隣の春日丘高。姫野の母校だった。
「約60名いる部員が切磋琢磨して30名のメンバー登録を目指すというチームを目指します。半分の30名だけが頑張るのではなく、60名が30名以内に絶対入るんだという気持ちになる、戦力差のない充実したチームを作りたいです」
こう語るのは、先頭に立つ宮地真監督だ。将来を嘱望されていた高校時代の姫野も指導していて、最近ではブレイクした姫野の母校訪問時、テレビカメラの前で思い出話をしたこともある。