朝日新聞記者がエロ画像使用のゲーム広告を掲載した産経をいじる、悩ましい現実|文◎やまもといちろう (3/3ページ)

デイリーニュースオンライン

『漫画村』問題では、著作権法上違法なサービスを展開しているサイトに堂々と大手デジタル広告代理店が運営するアドネットワークのOEMで広告が掲載され、まるで広告主が違法な『漫画村』を支援しているかのような状況に陥っているとして、大きな非難の声が沸き上がりました。

 最近では、ネトウヨを釣るために作られたと批判される『保守速報』にアドネットワーク経由で広告を掲載している各社に対してたくさんの通報が行われ、広告の差し止めが行われるまでに至りました。そのような言論統制を促すようなやり方が良いかどうかが問われる一方、フェイクニュースを山ほど流してネット上の情報が大混乱に陥りかねないクソサイトは潰れて良しという意見もあるでしょうから、ことの是非は措きます。ただ、ネットメディアと広告の関係は歪(いびつ)で、より良い記事を読まれるために記事執筆や取材にコストをかけるほど、広告であれPVであれ月額課金であれビジネスモデルの収益性が重要になるというジレンマがあるのもまた事実です。

 その意味では、産経新聞が新聞社として世の中に警鐘を鳴らす記事を書き続けて無料でネットで配信しているサイトそのものの収益がエロまがい画像を使ったゲーム広告である、というのは、深いディストピア感を覚えるのであります。もうちょっといいタイアップ広告や読者属性に基づいた新聞社らしいハイソな訴求内容ってのは無いものなのでしょうか。

著者プロフィール

やまもといちろうのジャーナル放談

ブロガー/個人投資家

文・やまもといちろう

※慶應義塾大学卒業。会社経営の傍ら、作家、ブロガーとしても活躍。著書に『ネット右翼の矛盾 憂国が招く「亡国」』(宝島社新書)など多数。

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