人類は自ら滅ぶのか?……想像以上に深刻な「マイクロプラスチック汚染」の恐怖
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いま全世界的にマイクロプラスチック汚染が大きな注目を集めている。マイクロプラスチックは川や海に投棄されたポリ袋やペットボトルが日光で劣化しボロボロになり、水中を漂い揉まれるうち「5ミリ以下になったもの」の総称だ。最終的にはナノレベルまで小さくなるらしい。
実は市販の洗顔ソープや歯磨き粉にもマイクロプラスチックとほぼ同様の『マイクロビーズ』なるものが配合されている。欧米ではマイクロビーズの危険性が大きく取り上げられ、石油由来の1部が販売禁止となったが、日本では全く対策が打たれておらず、下水から川や海に垂れ流し状態となっているのだ。
現実化しつつあるマイクロプラスチック汚染
断っておくがマイクロビーズそのものは人体に入ってもそれほど有害ではない。最大の問題は河川や海洋に流れ出たマイクロビーズが劣化すると、ダイオキシンやポリ塩化ビフェニル(PCB)、また重金属などの有害物質を「スポンジのように吸着する性質」を持つのだ。これらの有害物質は微量でも高い発がん性や内臓障害、ホルモン異常を引き起こすことが科学的に証明されており、人体に極めて有害なのである。
このように汚染されたマイクロビーズやマイクロプラスチックを小魚が食べる。そして大型魚のマグロやサバがその小魚を食べると、体内で有害物質が濃縮される可能性がある。それを更に人間が捕獲して食べるという食物連鎖で、人体に大きな弊害を及ぼす恐れがあるのだ。特に日本は海に囲まれ漁獲量が多い分、影響は甚大だろう。
生殖機能を著しく低下させる?
あるフランスの研究機関は牡蠣と工業廃水などで汚染された海水、そしてマイクロプラスチックを入れた容器を、2か月監視する実験を行った。するとマイクロプラスチック入りの牡蠣は、入れなかった牡蠣に比べ、著しく生殖機能が低下したという。
これをすぐ人間にあてはめるのはナンセンスだろうか。しかし近年はなかなか子供が生まれず、不妊治療を受ける夫婦が急増しているとも聞く。仮に今はそれほど影響がないとしよう。だが、プラスチックが自然分解されるには1000年以上かかる。つまり人間がプラスチックを捨てれば捨てるほど、汚染は確実に広がっていくのだ。
もしかすると人類は知らぬ間に自ら「滅びの道」を歩んでいるのかも知れない。
出典 Oyster reproduction is affected by exposure to polystyrene microplastics
【画像】
TAKEO / PIXTA(ピクスタ)