海の向こうで行われる葬儀は日本の葬儀と違って種々多様という話 (1/2ページ)

心に残る家族葬

海の向こうで行われる葬儀は日本の葬儀と違って種々多様という話

日本はほぼ火葬が行われる国の一つ(湿度が高く、腐りやすいためだろうか)だけれど、世界には様々な種類に富んだ葬儀が存在する。そのいくつかを紹介する。

■鳥に遺体を処理してもらう鳥葬

一番有名な変わった遺体処理といえば、おそらく鳥葬だろう。チベット仏教、ゾロアスター教で行われる。チベット仏教では、死後残った遺体は中に入っていた魂が解放された肉の抜け殻であり、魂は先に天に昇っているとされる。そこで、地上に残った肉の抜け殻を天へ送り届けるために、食べやすいサイズに解体した遺体をハゲワシ等の猛禽類に食べさせる。翼のある生き物と天を関連づけるのもどこか納得できる。逆に、ゾロアスター教では遺体は穢れの源であり、悪魔の住処であるとされているところが大変興味深い。ゾロアスター教では火は神聖視されており、遺体処理のためには使えない(同じ理由で土葬も水葬もない)。そこで、ダフマと呼ばれる鳥葬用の施設に遺体を置き、鳥に食わせるのである。他に獣葬といいうのもある。マサイ族の葬儀方法で、遺体をサバンナのど真ん中に遺棄し、ハイエナやライオンなどに食わせるのである。これは自然の一部である自分たちを動物に食べてもらうことでその自然に返すという考えに基づく。また、食葬というのも存在することには存在する。アボリジニに存在する文化であり、その遺体を食べることで死者を自分の一部にしてしまうためである。食葬はいわずもがな、鳥葬・獣葬は死体遺棄となる可能性が大いにあり、日本では行えない。

■明るく楽しいお祭り騒ぎの葬儀

日本の葬式は厳かに行われる。故人との思いでを振り返っている最中、楽しかったことを思い出し笑いなぞしようものなら、白い目で見られてしまう。アメリカのルイジアナ州ニューオーリンズではジャズ葬というものがある。日本では火葬という工程があるが、アメリカでは土葬が主であり、エンバーミング処理された遺体を墓地まで運ぶ。その際ジャズ葬ではブラスバンドが底抜けに明るいジャズを演奏し、参列者も一緒に騒ぎまわるのである。パレード葬といってもいいかもしれない。不謹慎と言われそうだが、これは死者が天国へ行くのを祝福しているのである。なぜジャズなのかというと、これには悲しい理由が存在する。ジャズは黒人から生まれた音楽であり、黒人は差別の対象であった。

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