広島と仲間を愛すセブンズ日本代表、ジョー・カマナ。W杯で「貢献」誓う。 (1/2ページ)
15人制ではCTBとしてプレー。セブンズでもボールキャリーに強味を見せる。お好み焼きが好き。(撮影/松本かおり)
193センチ、104キロの体躯を誇る。力強く前に出るパフォーマンスが強味だ。
初めてセブンズ日本代表の一員として参加したワールドラグビー・セブンズシリーズのシンガポール大会(2018年4月)では、チームが完敗したフィジー戦でも気を吐き、後半にトライを奪った。
ディフェンダーをパワーでふりほどき、加速。そして鋭角なステップで抜いて、最後は相手を引きずりながら40メートルを走り切る圧巻の爆発力だった。
そのジョー・カマナが男子セブンズ日本代表のひとりとして、7月20日に開幕するワールドカップ・セブンズへ向かう。
上位進出を狙うチームの大きな戦力として期待がかかる。
トップチャレンジリーグを戦いの場とするマツダブルーズーマーズに加わって4年目を迎えたカマナは26歳。クック諸島出身の両親の間に、ニュージーランドのハミルトンで生まれた(トコロア)。
5歳でラグビーを始め、地元・フレイザー高を卒業した後は、豪州・メルボルンに渡り、ラグビー・リーグクラブでプレーした後にイタリアでも楕円球を追った。ふたたび南半球に舞い戻り、豪州国内選手権のメルボルン・ライジングで活躍すると、日本行きのチャンスをつかむ。お兄さん、ジェームズ・カマナは釜石シーウェイブスに所属したことがあり、セブンズNZ代表に選ばれた経験も持つ。
サンフランシスコへ向かう前、男子セブンズ日本代表は、東京・辰巳でトレーニングを重ねている。炎天下で基本プレーとチーム戦術の確認、フィットネス向上を図る集団の中でカマナも汗を流した。
「このメンバーに選ばれたことは光栄。自分の持ち味であるアタックを発揮してチームに貢献したい」
今年2月の和歌山合宿からセブンズ代表スコッドに加わり、練習、試合を通して高評価を得て大舞台に立つ権利を手にした。トップチャレンジリーグや九州セブンズでのプレーも見て選出した岩渕健輔ヘッドコーチも、ボールキャリアーとしての資質に期待を寄せる。
スーパーラグビーでの活躍など、大きな実績のない男が日本で才能を発揮できたのは、高い順応性があるからだ。