未だに定期的に流行する地域も。ペストに関する知られざる5つの事実 (2/5ページ)
疾病管理センター(CDC)が示すペストが発生した郡の地図
ペストにかかるとこれ以上、進行しないうちに抗生物質を投与されるのが通例だ。だが、いったいどうして、現代でもわたしたちはいまだにペストに感染するのだろう?
地方ではネズミがペスト菌を媒介することが多いので、捕獲して駆除しなくてはならない地域はたくさんある。
ニューメキシコ北部、アリゾナ北部、コロラド南部は、アメリカの中でもペスト菌が棲息している割合が高い地域のようだが、カリフォルニア全土、オレゴン、ワシントン、ユタ、ネヴァダの一部、アイダホ、モンタナ、ワイオミングでも発生している。
・アメリカ都市部で最後にペストが大流行したのはロサンゼルス
1924年10月30日、51歳のジーザス・ルハンが感染した。数日前に、彼は自宅の下から死んだネズミを回収して処理したらしい。
彼がロスでの肺ペスト患者第一号になり、それから2週間で、近所のオルヴェラ・ストリートの隣人だけで30人が感染した。
影響が出たブロックは、ペストがさらに広がるのを防ぐために隔離しなくてはならなかった。大流行が始まるまで、この病気がたちの悪い肺炎どころではないことを報道したロスの新聞はひとつもなかった。
大量駆除の後、死んだリスのそばに座る男性
これは人間を一気に根こぎにしかねないほどの大流行だった。14世紀、最初の黒死病はヨーロッパの人口の60%を死に至らしめた。
衛生当局は、隔離によってなんとかしてカリフォルニアの大流行を封じ込めようとしたが、やったことはおもにネズミ類の一斉撲滅を法制化したことだ。