子供はロボットの判断を重視し、ロボットの意見に従いがちなことが判明(英研究) (2/4ページ)
学生らはA、B、Cのうち最初の線の長さに一番近いものはどれかと質問される。
じつは学生グループの中で本当の被験者は1人だけで、他の参加者は全員サクラである。質問の答えは明らかなのであるが、サクラは全員同じ間違った回答をする。
すると被験者(必ず最後に質問される)の3分の1が、サクラに同調して、誤った回答を選んだ。同じような実験が12回繰り返されるが、被験者の75パーセントが最低1度はこのような同調を示し、そうしなかったのは4分の1だけだった。
・ロボットの意見に同調する子供たち
英プリマス大学のトニー・ベルパエム教授らは、サクラをロボットに置き換えて同じような実験を行なった。だがもう一捻り加えて、大人のグループと子供のグループで試してみることにした。
その結果、大人はロボットに従う必要を感じなかったのに対し、子供はロボットに大いに左右された。
部屋で1人で課題を行なっているときはきちんと正解できたのに、ロボットが参加すると答えを間違うようになったのだ。
・子供は人間とロボットを同等として扱う
この実験では子供の影響の受けやすさと同様、大人がロボットに左右されなかったことも注目に値する。
なぜなら「コンピューターは社会的アクター(CASA)」という社会学の広く受け入れられている理論に矛盾するからだ。
CASA理論は1996年に提唱されたもので、人間がコンピューターとやりとりをする際、それがあたかも人間であるかのように行う傾向があると指摘している。実験結果はCASA理論の限界を示すものだ。