北海道震度7 迫りくる南海トラフ、首都直下型「巨大地震」Xデー① (1/2ページ)

週刊実話

 「青森沖から北海道・根室沖にかけては近い将来、海溝型の巨大地震が発生すると見られています。今回の直下型の内陸地震はその前兆であるとされます」
 防災ジャーナリストの渡辺実氏はそう指摘する。

 9月6日午前3時8分頃、北海道胆振地方中東部を震源とした深さ37㎞、マグニチュード6.7の大地震が発生した。
 北海道安平町で震度6強、厚真町鹿沼では最大値の震度7を観測した。揺れは広範囲に渡り、震源地周辺の各地で、住宅の倒壊、土砂崩れ、液状化現象などが起きている。
「熊本地震のように、震源(深さ11㎞と12㎞)がもっと浅かったら、さらに甚大な被害が出ていたでしょう」(渡辺氏)

 10日時点の死者は44人に及んだ。
「厚真町では大規模な土砂崩れが発生し、建物が倒壊、住居内に人が取り残されました。土砂崩れがあった現場は、以前から危ない地域と指摘されていた。千歳基地から航空自衛隊の救難隊が被災地域に到着、すぐに救助活動を展開しました」(大手紙社会部記者)

 また、道内すべての火力発電所が運転を停止したため、道内全域の約295万戸で大規模停電(ブラックアウト)が発生した。8日にはほぼ解消したが、道民生活はもちろん、農作物への影響が心配されている。

 気象庁は今回の地震を『平成30年北海道胆振東部地震』と命名した。政府の地震調査委員会(委員長・平田直・東京大学地震研究所教授)は「震源近くにある活断層で発生した地震ではない」との見解を表明した。地下深いところにある断層が、上下方向に動いたとみられている。

 武蔵野学院大特任教授の島村英紀氏が言う。
「全国には未知の活断層が6000あると言われていますが、北海道胆振東部地震が発生したところはその未知の活断層。怖いのはこうした活断層がいつ動くか全く分からないことです。毎年、地震予測地図が国の機関から発行されていますが、今回地震が発生したのは比較的安全とされる黄色に塗られた地域だった」

 北海道胆振東部地震は東北東と西南西方向から地殻が圧縮されて断層が上下方向にずれる「逆断層型」。震源の西方には活断層の石狩低地東縁断層帯が南北に走っており、長さ約66㎞の「主部」と54㎞以上の「南部」がある。

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