秋津壽男“どっち?”の健康学「視力の衰えが認知症など老化を加速。暗所やタブレットでの読書は要注意」 (2/2ページ)

アサ芸プラス

さらに、タブレットから発光する光には、目に負担をかけ悪影響を及ぼすブルーライトが多く含まれています。ブルーライトとは、波長が380~500ナノメートルの青色光のことです。人の目で見ることのできる可視光線の中で、最も強いエネルギーを持っています。そして、角膜や水晶体で吸収されず網膜まで到達して目に大きな負担をかけます。さらに、若者にありがちな寝る前のスマホの使用。これは睡眠不足などを引き起こす可能性もあります。厚生労働省のガイドラインでも「1時間のデジタルディスプレイ機器作業を行った際には、15分程度の休憩を取る」ことが推奨されています。

 また、高齢になるほど視力の衰えは加速します。例えば老眼は、目の水晶体の弾力性が弱まってピントの調節がしづらくなる、典型的な老化現象です。そして老眼が進むほど認知症のリスクも増すと言われていますが、これは人間が脳に送る情報のほとんどが視覚を経由するためです。目が悪いほど脳への情報量が少なくなり、それに伴って脳への刺激が減るわけです。

 こう考えると、目の衰えや病気は老化を加速させますので、早めの対策が肝心なのです。

■プロフィール 秋津壽男(あきつ・としお) 1954年和歌山県生まれ。大阪大学工学部を卒業後、再び大学受験をして和歌山県立医科大学医学部に入学。卒業後、循環器内科に入局し、心臓カテーテル、ドップラー心エコーなどを学ぶ。その後、品川区戸越に秋津医院を開業。

「秋津壽男“どっち?”の健康学「視力の衰えが認知症など老化を加速。暗所やタブレットでの読書は要注意」」のページです。デイリーニュースオンラインは、“どっち?”の健康学秋津壽男認知症読書スマホ社会などの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る