「平成日本シリーズ史」西武の6連勝を阻止したヤクルトの川崎憲次郎の力投! (1/2ページ)

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「平成日本シリーズ史」西武の6連勝を阻止したヤクルトの川崎憲次郎の力投!

 1993年の日本シリーズは、平日のデーゲームで試合が行われた最後のシリーズである。その顔合わせは前年に続いてヤクルトスワローズ対西武ライオンズ。ヤクルトの監督は野村克也、対する西武の監督は森祇晶。両軍とも捕手出身の名将対決ということも注目されたが、特にヤクルトは前回、第7戦にまでもつれたすえの惜敗ということもあり、チーム全体に“雪辱を果たそう”とのムードが高まっていた。

 その強い思いを胸に西武ライオンズ球場へと乗り込んだヤクルトは初戦、2戦目とビジターで連勝を飾る。初戦はいきなり初回に5番・ハウエルに3ランが飛び出すなど、西武先発の工藤公康を2回でKOし、8‐5で勝利。

 続く2戦目も1‐2で、迎えた3回表に4連打で西武先発の郭泰源を攻略し、4‐2と逆転に成功。結果、5‐2で逃げ切り、上々の連勝発進となったのだ。

 舞台を神宮球場へと移して行われた第3戦は、西武が王者の意地を見せた。3回表に田辺徳雄の3ランなど打者10人を送る攻撃で6点を先制。投げては先発の渡辺久信が8回途中まで2失点の好投を見せ、7‐2で快勝したのである。

 こうして3戦目を終えてヤクルトの2勝1敗となったことで、次の第4戦が大きな意味を持つこととなった。王手をかけるか、2勝2敗のタイに持ち込むのか。その重要性がわかっているだけに、試合は僅差の、そして緊迫の展開となったのだった。注目の先発投手はヤクルトが川崎憲次郎、西武は石井丈裕。この2人が手に汗握る投手戦を展開したのである。

 試合は4回裏にヤクルトが1死満塁から、池山隆寛のライトへの犠牲フライで1点を先制。この虎の子の1点を川崎の力投で必死に守り切っていく。対する西武も石井のあとに鹿取義隆、杉山賢人、潮崎哲也の救援トリオを投入し、ヤクルトの追加点を阻止。そして迎えた8回表の西武の攻撃で一世一代のビッグプレーが飛び出すこととなるのである。2死ながら一、二塁のチャンスをつかんだ西武は、ここで鈴木健がセンター前へと弾き返した。この打球を見て二塁ランナーの笘篠誠治は敢然と同点のホームを狙ったのだが、前進守備を敷いていたヤクルトのセンター・飯田哲也が素早く処理し、バックボーム。本塁で笘篠をみごとタッチアウトにし、同点を阻止したのである。

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