天才テリー伊藤対談「近田春夫」(1)新アルバムの俺はまな板の鯉だから (2/2ページ)

アサ芸プラス

このアルバムをプロデュースしてくれたレコード会社の川口さんという人から、あるアーティストへの楽曲提供の依頼があって、それを作って現場に行って仮歌を入れたの。そしたら、それを聴いた川口さんが「すごくいい! 近田さん、レコード出しましょう!」とか言うわけよ。

テリー 即決なんだ、偉いね!

近田 フフフ、俺もそう思う。でも普通、そんなのリップサービスだと思うじゃない。今、相当売れている人でもCD出すのは大変なのに、俺なんか事務所もないし、歌手としての活動もずっとしていないわけだから。なので「曲を書くのは面倒だから、現場に行って歌うだけのアイドルみたいな感じならいい」とか言っちゃったわけ。

テリー いいねぇ。

近田 そしたら、川口さんから「こんなの、どうですか?」なんて、どんどん曲が送られてきて「これはどうやら本気なんだな」とやっと思い始めた(笑)。そこでアルバムタイトルにもなった「超冗談だから」という曲のメロディーだけのデモテープを聴いて「ちょっと新しい感じもあって、おもしろい曲だな」と。

テリー あっ、それ、俺も思った。この曲も詞がいいよね。

近田 それはハロー!プロジェクトのアイドルにけっこう詞を提供している児玉雨子さんが書いてくれた。俺、「週刊文春」の「考えるヒット」っていう連載で児玉さんが手がけた曲を何回か扱ったんだけど、歌謡曲的な語彙も豊富なうえに、ヒップホップ以降とも言えるおもしろい言葉を乗せる人でさ。

テリー ああ、確かにそういう感じがあるよ。

近田 で、彼女に詞をお願いできないかな、と川口さんに相談したら、すぐ連絡してくれて。この曲をきっかけにして、自分が本気でアルバムに取り組もうと思ったんですよ。

テリー 曲はどのくらいの中からのセレクトなの? 曲選びでこだわったところとか、あるの。

近田 65曲ぐらいからだけど、俺は選んでいない。全部、川口さん任せ。

テリー じゃあ、本当にアイドルと同じだね。

近田 そう、今回は現場に行って歌うだけ。「まな板の鯉」で行くというスタンスは最後まで貫きました。

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