これまでの営業方法ではもう上手くいかない 組織を変える「インサイドセールス」とは? (2/3ページ)

新刊JP

また、著者はもう一つ重要な概念を教えてくれる。それが「アジャイル」だ。
「アジャイル」は英語で「機敏な」という意味で、ソフトウェア開発の手法の一つとして知られる。
これまではソフトウェアは完成された形でユーザーに提供されることが当たり前だったが、「アジャイル」型開発では、おおよその要件を定義し、細かくPDCAを回しながら少しずつ開発していくという方法をとる。
環境の変化が激しいIT業界において、この柔軟性は必要不可欠だ。

この「アジャイル」を組織運営に応用することができる。その5つのアプローチのカギが下記となる。

〈アジャイルアプローチ5つのカギ〉
1.変化に柔軟な対応
2.取り組みを小さく、素早いサイクルで回す
3.取り組みへの評価と反省
4.誤解を解きほぐす情報共有
5.組織の枠組みを超えた協力体制
(p.43-44より引用)

「アジャイル」は常に変化し続ける環境に対する柔軟性をもたらすと同時に、分断されていた業務の壁を越えて、組織全体で改善を進めることを促す。
例えば、営業マンが商談で「気付き」を社内に持ち帰ったとき、それをフィールドセールスだけでなくマーケティングやインサイドセールスにも共有し、全体で議論を行う。その「気付き」をインサイドセールスのオペレーション改善に生かせそうなら、すぐに新しいオペレーションを試す。そこからまた課題をあぶり出し、素早く改善する。

実際に訪問するフィールドセールスだけが頑張るのではなく、組織全体の協力を促すことは大事だ。全体の指針をぶらさないことを前提とした上で、組織全体で営業活動を常に見直すことは、成約率を高めるために必要不可欠なことなのだ

■ユーザベース社に起きた営業改革の内容とは?

前述したように、本書では著者が関わった豊富なインサイドセールスの事例が紹介されている。その中でソーシャル経済メディア「NewsPicks」を運営しているユーザベースグループについて少し触れておこう。

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