永遠なる“武士の魂”!殉死に反対し戦国大名・宇喜多直家に忠告した老勇者のエピソード (2/5ページ)

Japaaan

その後、謀略の限りを尽くして祖父の仇討ちをはじめ、数々の政敵を暗殺。ついには主君である宗景に謀叛を起こし、一度は屈するも二度目で下剋上を果たし、備前国は元より、備中・美作の両国にもまたがる戦国大名へとのし上がった謀将・宇喜多直家

織田や毛利という大大名を東西に抱えながら、懸命にわたり合ってきた山陽の梟雄にも、いよいよ死期が訪れていたのでした。

死にゆく孤独と、老臣の諫言(かんげん)

さんざん人を殺してきた直家ですが、いざ自分の番となると、やっぱり心細くなるのが人情。病床に家臣たちを集めて、こんな事を言いました。

「わしが死んだら、誰か後を追ってくれるかのう……」
【原文】我死セバ誰カ殉死セン。

当然のごとく、家臣たちはリアクションに困ります。だってそうでしょう。誰だって死にたくないけど、それを言ったら忠誠心を疑われて、後からどんな面倒ごとになるかわかりません。

まして「武士に二言なし」、一度口にした以上、本当に追腹(おいばら。亡くなった主君の後追いで切腹すること)を切らされかねないし、死ななきゃ死なないで「口先野郎」として名誉を損なうばかりか、次世代の人事査定にも影響する……。

そんな訳で、普段はおべっかやゴマすりに余念がない連中も、今回ばかりは流石にだんまり……かくして現場に重たい空気が流れます。

(あぁ、何とかごまかしたい。できれば逃げたい。あるいは誰か、嘘でもいいから名乗り出て、御屋形様のご機嫌をとってくれ。

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