宇宙で観測できない95%の正体は「暗黒流体」であるという新理論が発表される(英研究) (3/4ページ)

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・アインシュタインと宇宙定数

 ほとんどが目に見えない暗黒の宇宙が初めて示唆されたのは、今から100年前、アルベルト・アインシュタインが「宇宙定数」と知られる係数を発見したときのことだ。

 アインシュタイン自身は宇宙定数を「最大のミス」と評していたことは有名だが、現代の天体物理学では、それが実在の現象であることが証明されている。

 今日、宇宙定数はダークエネルギーと同義のものとして知られている。

 1918年、アインシュタインは宇宙定数について、「星間空間のいたるところに分布している重力を持つ負の質量の役割を”空間”が果たすというように、理論の修正が必要」と記している。

 したがってアインシュタインは負の質量で充満した宇宙を予言したと考えることもできる。


・アインシュタインの概念を基に新理論を考案

 ファーンズ博士によると、ダークエネルギーとダークマターを統合しようというこれまでの試みは、一般相対性理論の修正が必要になるものであったため、非常に困難だったという。

 しかし、アインシュタインの負の質量と物質生成という古い概念を拝借する新しいアプローチを採用したことで、その統合に成功した。

 ファーンズ理論の証明は、スクエア・キロメートル・アレイという最新の電波望遠鏡によって行われることになる。

 仮に正しいことが証明されれば、現在観測することができない宇宙の95パーセントの部分を説明する美しい解決策があったということになる――それはすなわちマイナスの符号のことだ。
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