ヤマハ戦3トライでサントリー3連覇へ王手。尾崎晟也、力の証明。 (3/3ページ)

ラグビーリパブリック

WTB、FBには松島、山田章仁、福岡堅樹といった2015年のワールドカップ経験者に加え、前東海大主将の野口竜司らが名を連ねている。

 野口は現所属先のパナソニックでは主力チーム入りに至っていないが、キッキングゲームへの対応力が認められてかジェイミー・ジョセフ日本代表ヘッドコーチらから重用されている。

 尾崎と野口は、同い年で関西出身同士。周囲はどうしても2人のライバル関係に注目するが、その手の仮説へ尾崎は慎ましく応じるのみ。矜持を示す作法は、心得ている。最近の自身のプレーの幅の広がりを、ボスにアピールするだけだ。

 その意味ではヤマハ戦での特筆すべきプレーはトライシーンと別のところにあった。

 前半28分頃、相手SOの清原祥のラインブレイクで一気に自陣中盤まで下げられた時だ。接点付近でヤマハSHの矢富勇毅が、サントリーの防御ラインの左奥へキック。ここで大外にいた尾崎は他選手よりやや後ろで待機していて、球の転がる自陣22メートルエリアへスムーズに戻る。捕球。相手のチェイスが目の前にいるなか、10メートル線付近まで球を蹴り返した。

 その直後も攻めるヤマハが蹴ったボールを受け取りカウンターアタック。その後はしばらく、サントリーのフェーズが続いた。尾崎は言う。

「自分自身、プレーの幅を広げるために練習しています。そこの成果がだんだん、出ているなと思います」

 ひとつの走り、ひとつの目配り、ひとつの声掛けで、己の力を証明するだけだ。

(文:向 風見也)
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