ヤマハ戦3トライでサントリー3連覇へ王手。尾崎晟也、力の証明。 (1/3ページ)

ラグビーリパブリック

 注目されるべきは、トライを取った結果よりもトライまでの過程だろう。

 12月8日、東京・秩父宮ラグビー場。日本選手権を兼ねたトップリーグ順位決定戦の準決勝で、サントリーの新人、尾崎晟也が3トライを決める。いずれの場面でも、フリーでボールを受けやすい位置取りと相手の動きを見定めてのコースチェンジが光った。ただ速い、強いでは表現しきれぬ無形の力。それが尾崎の真骨頂だ。

 まず前半2分。ハーフ線付近右のラインアウトからのサインプレーでSOのマット・ギタウが左中間のスペースを破ると、その左を駆け上がるWTBの尾崎が防御の背後に抜け出しながらパスをもらう。

 右側から迫ってくる2人の防御と入れ違いになるようステップを踏み、カットイン。さらにカバーにきた選手も1人、2人と持ち前のフットワークでかわし、インゴールに飛び込んだ。ギタウのゴール成功で7-0。

 次は、13-22とビハインドを背負っていた後半7分。

 サントリーは敵陣ゴール前右のラインアウトからモールを作るなか、左側で深めのBKラインを形成する。モールの最後尾からSHの流大が球を持ち出すと、攻防線上に3人のBKの選手が駆け込んだ。

 ボールはその後ろのギタウへ渡り、ギタウは尾崎の待つ左後方へさばく。尾崎はいったんパスコースへまっすぐ走り込み、ボールを手にするや外へ膨らむような走路を取る。飛び出すヤマハの防御に触れられないまま、フィニッシュを決めた。ギタウはここでもゴールを決め20-22と点差を詰めた。

 そしてクライマックスの同30分。

 敵陣の深い位置で攻め込むサントリーにあって、まずはFLのクリス・アルコックが飛び出すタックラーをかわしてゴール前で直進する。防御の目線がその近辺に寄る。すると途中出場していたSHのマット・ルーカスが軽やかにさばき、ボールはCTBの梶村祐介、FLのツイ ヘンドリックを経て尾崎につながる。いったん左側へ踏み出すふりをして、右から迫る防御2人をかわす。さらに右側に並んだタックラーとぶつかりながら、ゴールラインの向こう側でグラウンディングした。25-22と勝ち越した。

 チームは延長戦の末、28-25で勝利。

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