母の気持ちは母ならわかる。むずがる2人の子供を連れて飛行機に乗ろうとしていた女性を助けた3人の女性(アメリカ)
子どもとは騒ぐものだし、赤ちゃんとは泣くものだ。だが、赤ちゃんや子供の泣き声を不快に思う人がいるのも事実である。
一説には、赤ん坊の泣き声は、世話をしてくれる人に対して警告を発し、早く異常な事態を取り除いてもらうために不快な音として聞こえるようになっているという。子供の甲高い声も同様に大人の注意をひきやすくなっている。
なので、赤ちゃんの泣き声や子供の叫び声は親にとっても同様に不快なものなのだ。特に何かをしなければならない時はイライラも募るだろう。
ともあれ、テキサス州ダラスに住むベッカ・キンゼーさんは二人の子どもを連れて困り果てていた。飛行機に乗ろうとしたのだが、搭乗手続きの途中でどうにも手が回らなくなってしまったのである。
・順番待ち中に声をかけてくれた女性
ベッカさんの子どもは、5歳のジェームズくんと2歳のワイアットくん。その日、ベッカさんは二人をディズニーワールドへ連れて行った。その帰途でのことである。
セキュリティ・チェックのための列に並んでいたベッカさんはどうにもこうにも手が回らずにパニック寸前だった。
一日の終わりで三人とも疲れており、ワイアットくんはむずかって叫び続け、ジェームズくんはへたばっていたのである。
すると。列の前の方に並んでいた、見ず知らずの女性がベッカさんに声をかけてきた。「こっちよ、私の前に入りなさいな!あなたの状態が(どんなに大変か)わかるわよ!」
・検査機に荷物を通してくれた女性
さて、順番が来ると、ベッカさんは片手で荷物を何とかしようと悪戦苦闘することになった。もう片方の手には、寝てしまったワイアットくんを抱いていたのである。
すると、また別の見知らぬ女性がベッカさんに「荷物を全部こっちへよこして」といった。その女性は、ベッカさんの荷物を全部検査機に通してくれたのだった。
ベッカさんが助けてくれた二人にお礼をいうと、二人は「心配いらないわ」と返した。「あなたがちゃんと自分のフライトに乗れるようにするからね」
そしてその言葉通り、二人目の女性はベッカさんの荷物を全部持って、搭乗口まで送り、親子がちゃんと飛行機に乗るまで見送ってくれたのだった。
・ワイアットくんを抱いていてくれた女性
しかし、無事に飛行機に乗り込んでからも、ベッカさんの試練はまだ終わっていなかった。
それまで眠っていたワイアットくんが、離陸の際に目を覚ましてしまい、ふたたび眠りに落ちるまで、またもや叫んでいたのである。
しばらくして、ベッカさんのところにやってきたまたまた別の見知らぬ女性が、「あなたには休息が必要に見えるわ」といった。
そしてワイアットくんを抱き取ると、フライトの残りの時間ずっと、代わりに抱いていてくれたのだった。
さらにその女性は、飛行機を降りた後も、ワイアットくんを抱いたまま、ベッカさんと連れ立って歩いた。
そして、迎えに来ていたベッカさんの夫のブレイクさんにワイアットくんを渡すと、ベッカさんをハグして、「メリークリスマス!」といい、去っていったのである。
ベッカさんは3人の見知らぬ女性に助けられたことになる。
・「恩送り」をしよう!
ベッカさんがどうしてもこの3人の女性の話を皆に知ってほしかった。その話をフェイスブックの投稿すると、たちまち話題となり、多くの人に広まった。
投稿が拡散されたのを見たベッカさんは、追記としてこう書いている。
ペイ・フォワード、「恩送り」をします。ディズニーワールドからの帰り道、3人のすばらしい女性がやってきて助けてくれました。
もし、この話をシェアした全員が "Kidd's Kids"に5ドル(約568円)ずつ寄付をしたらどうでしょう?! "Kidd's Kids" は、生命を脅かすような、人生が変わるような病気を抱えた子どもたちをディズニーワールドへの五日間の旅行に連れて行くことができます。
そうしたら、子どもたちはちょっとした魔法を経験して、日々のストレスを少しは忘れることができるかもしれませんよね!!
"Kidd's Kids" は、難病を抱えた子どもたちとその家族に夢と希望を与えようと活動している団体で、ディズニーワールドへの旅行も提供している。ベッカさんの呼びかけで、12月14日現在、214人が寄付をし、その総額は3,194ドル、約36万3千円に到達した。
もし、自分も「恩送り」に参加したい、と思った人がいたら、ベッカさんのフェイスブックの投稿、あるいは "Kidd's Kids" のフェイスブックページへいって、 "Donate" と書いてあるボタンをポチッとしてみよう。
身近な子供たちに何か恩送りをしたいのなら、日本のクラウドファンディングサイトなどで自分に合うものを探すと良い。
References: Facebook など / written by K.Y.K. / edited by parumo