LGBTについて知れる映画特集 (2/4ページ)

学生の窓口

ですから、公開年が1962年の本作、またロレンス自身の著書『知恵の七柱』※でも決してそのような直接表現はありません。

※『知恵の七柱』はトマス・エドワード・ロレンス自らが著した自身の活動についての記録。1916年6月の「アラブの反乱」から1918年10月の「ダマスカス入城」までを記載しています。

『狼たちの午後』(1975年)

実際にあった銀行強盗事件を基に制作された映画で、監督は名匠シドニー・ルメットが務めています。主演は『ゴッド・ファーザー』などで有名な男くさい名優アル・パチーノです。ニューヨーク、ブルックリンの銀行に押し入った3人組の強盗団が警察に取り囲まれて籠城。強盗なのになぜか市民たちからの共感を得て、同性愛者差別に対する抗議デモなども巻き起こり、事態は混迷を深めていく……というストーリーです。

この映画に同性愛者の団体が登場するのには理由があります。この映画の基になった1972年に起こった銀行強盗事件というのは、犯人(ジョン・ウォトビッツ:男性)が「恋人(男性)に性適合手術を受けさせるための費用」を稼ぐために起こしたものだったのです。当時ニューヨークではLGBT運動が大きな注目を集めていました。

1969年には「ストーンウォール・イン(Stonewall Inn)」というゲイバーで、強制捜査に踏み込んだ警官に対して同性愛者が団結して立ち向かう事件が起きています。この翌年には、事件の1周年を記念してパレードが行われました。今や世界的に行われているゲイ・パレードはこれが元祖といわれているのです。

本作はこのような時代背景の下に制作されており、一見普通の犯罪映画に見えますが、元々の事件が事件だけにその底にはセクシャリティーの問題が流れているのです。ちなみにアル・パチーノはこの後ハードゲイの世界を描いた『クルージング』(1980年)にも主演しています。この「クルージング」とはゲイ用語で「男を漁る」という意味。『エクソシスト』を撮ったウィリアム・フリードキンが監督を務めています。

『ウーマン・イン・レッド』(1984年)

ジーン・ワイルダー監督の手に成る傑作コメディーです。

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