LGBTについて知れる映画特集 (3/4ページ)

学生の窓口

サンフランシスコ市の冴えない職員テディは、ある日地下駐車場で赤い服に身を包んだ魅力的な女性シャーロットを見掛けます。シャーロットは市のキャノペーンに起用された女性でしたが、彼女に魅了されたテディは家庭も顧みず追い掛け続ける……というストーリー。

一見、普通のドタバタコメディーなのですが、中に一カ所同性愛者についての深刻なシーンがあるのです。テディが悪友たち(親友ともいう)と屋外でランチを取っていると、一人の男がやって来て、悪友の一人のランチにチェーンのブレスレットを投げ込みます。その悪友の一人は悲しそうにブレスレットをナプキンで拭います。

実はそのブレスレットは悪友が「彼」に送ったもの。彼と一緒に住もうと部屋まで借りていたのですが、投げ込んだ男に彼を取られてしまったようなのです(詳細な説明は一切ありません)。テディは悪友の部屋を訪問し、やけになって「(彼と2人で塗ろうとしていた壁を)真っピンクに塗ってやろうか」と言う悪友を下手なジョークで慰めます。本筋とは全く関係なく、詳細な説明はありませんが、ゲイに寛容な街として知られるサンフランシスコを舞台とした物語だからこそ挿入されたエピソードといえるでしょう。

『リプリー』(1999年)

『太陽がいっぱい』と同じく、パトリシア・ハイスミスの小説『リプリー』を映画化した作品です。主人公のトム・リプリーをマット・デイモンが、大富豪の息子ディッキー・グリーンリーフをジュード・ロウが演じました。

本作では『太陽がいっぱい』よりもトムのセクシャリティーが明確に描かれています。トムはディッキーを愛するようになりますが、ディッキーはトムを疎ましく感じるようになり、ついには殺人が起こるのです。また、本作ではトムが愛する第二の男性・ピーターが登場します。トムはピーターと二人で船旅に出るのですが……。

同じ原作を基にしながらも、制作された時代が違うためセクシャリティーの表現も大きく異なる『太陽がいっぱい』と『リプリー』。淀川長治先生は惜しくも1998年に亡くなられましたが、もし淀川先生がこのリメーク作『リプリー』をご覧になっていたらどんな感想を口にされたでしょうか。

「LGBTについて知れる映画特集」のページです。デイリーニュースオンラインは、トレンドエンタメ映画カルチャーなどの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る

人気キーワード一覧