高速道路「激ヤバ危険ゾーン」魔のカーブや積雪・凍結に要注意!

日刊大衆

写真はイメージです
写真はイメージです

 帰省に旅行にと、ハンドルを握る機会が増えるこの時節。警戒箇所はもちろん、冬季特有の危険性も合わせて確認せよ!

 年末年始の休暇を使って、帰省に旅行にと、利用頻度が多くなる高速道路。とはいえ、使い慣れない道の走行に不安を感じている人も多いだろう。「高速道路には、ドライバーが警戒しなければならない事故多発地点というのがありますし、事故につながらなくても、その構造や特性上、ヒヤッとする箇所もあります」と話すのは、交通ジャーナリストの村松虎太郎氏。“魔のカーブ”や、“地獄の下り坂”と呼ばれる箇所が、実は日本各地に潜んでいるというのだ。

 そこで今回は、年末年始の運転時に注意すべき高速道路激ヤバ危険ゾーンを徹底調査。各地から107か所の危険個所を選出した!

 前出の村松氏によると、そうした危険箇所は、いくつかに分類できるという。まず一つ目が、「ひと昔前にできた道路」だ。「新東名や新名神など、最近造られた高速道路は、トンネルや橋といった構造物を造る技術力がありますが、ひと昔前の道路となると別の話。そうした構造物が造れないがために、山に沿ったり、谷を避けたりした、カーブやアップダウンが激しい区間が多々見られます」(前同)

 “最新”ではない道路には危険が潜んでいるということだが、こうした箇所では、制限速度が時速100キロ未満になっていることが多いというから、一つの見極めとしたい。ちなみに、その代表例として挙げられるのが東京・名古屋を結ぶ中央道や、関西・九州を結ぶ中国道である。「中央道はアップダウンとカーブが激しく、全長344.9キロのうち、時速100キロを出せるのはわずか15.8キロほど。つまり、中央道の95%以上で速度制限がかかっていることになります。そのうえ、渋滞が多い道路でもありますからね。かつて、『中央高速道路』だった通称名(一般に用いられる道路名)が、現在の『中央自動車道』に“格下げ”されたのも納得です」(同)

 中国道は全長540.1キロ。ただし、岡山、倉敷、福山、広島といった山陽や、鳥取、米子、松江といった山陰を走っているわけではなく、中国山地に沿うようにして走っているため、制限速度が100キロになっているのは吹田IC(大阪)から宝塚IC(兵庫県)までの、わずか16.6キロしかない。他の区間は時速50~80キロに制限されており、その間、アップダウンやカーブが常に繰り返される悪路だ。さらに、中央道には「阿智カーブ」(長野県)が、中国道には「美祢カーブ」(山口県)といわれる“魔のカーブ”があるなど、ポイント的な危険地帯もあるため、慣れていない人が走行する際には常に集中力が要求されることになる。

■強風にハンドルを持っていかれることも

 一方で、高速道路の新旧に関係なく、注意が必要となる場所もある。東京と関西を最短で結ぶ道路として、新東名、新名神(本誌発売時点では東名阪道経由)をリンクさせる伊勢湾岸道も、その一例。「伊勢湾岸道はC規格といって設計速度が抑えられているんですが、実際に走ってみるととても走りやすい。しかし、沿岸部を通っているため、強い風が吹くことがよくあるんです。車高が高い車だと風にハンドルを持っていかれそうになりますから、車高が高い車の隣を走る際は、横からの接触に警戒する必要があります」(同)

 さらに、最新技術で造られ、最高時速が110キロまで引き上げられた区間を含む新東名や新名神なら安全かというと、そうとも言い切れない。「道が単純で景色も単調。運転しているうちに、とても眠くなってしまうんですよ。こういう道こそ、集中力が必要になりますよね」(大手運送会社ドライバー)

■スタッドレスタイヤでもチェーンを装着

 そして、年末年始のこの時期に、最も気をつけなければいけないのが、積雪と凍結だ。北海道を走る道央道や道東道、東北地方の東北道、秋田道、山形道、磐越道、日本海沿岸道、また、北陸道や上信越道、関越道など、日本には積雪地帯に数多くの高速道路がある。さらに、12月14日からは、国土交通省の省令が公布・施行され、国内13か所でタイヤへのチェーン装着が義務づけられた。しかも、スタッドレスタイヤをはいていても、その上からチェーンを装着しなければならないというのだ。

「2018年2月に北陸で大雪が降った際には、福井県から石川県にかけての国道8号線で、約1500台の車が立ち往生する事態となりました。解消までにかかった時間は3日間。こうした事態をなくすのが目的です」(全国紙記者)

 しかし、すでに施行されていながら広く周知されているとは言い難く、読者の中にも初めて知ったという人も多いだろう。

 13か所のうち、高速道路や自動車専用道路に当たる区間は8区間で、残り5区間は一般国道。意外なのは、高速道の当該7区間のうち、2区間が中国道にあることだろうが、言い換えれば、西日本であろうと、日本海側は大雪が降るということ。そのため、年末年始に長距離運転する際には、ぜひ積雪や凍結への万全の備えをしておきたいところ。

■スリップが一番の注意点

 JAF広報課の秋本安香氏は、「一番の注意点はスリップ」と話し、その危険性を解説する。「車線変更であっても、乾燥した路面の感覚で行うと、スリップにつながって危険です。タイヤが一度スリップを始めると、ハンドルでは車を操作できなくなってしまいますから」(前同)

 一度スリップすると、もはや制御不能に近く、仮に、ABS(アンチロック・ブレーキ・システム)がついていると、ブレーキを踏み込んでもタイヤはロックするだけで、ただスリップするしかなくなるのだ。この場合、何かにぶつかって停止するしか方法はないため、自然走行(スリップ)に任せてスピードダウンを待ち、自然にタイヤが路面に食いつくのを待つしかない。また、雪道や凍結路を走る場合は、安全な場所でブレーキをあえて強めに踏んでみて、ABSの作動状況やスリップ具合を確認しておくことも重要だ。

「また、前方車両との車間距離は通常よりも多めにとってください。また、下り坂などでは、あらかじめ減速することが重要です。発進時にしても、通常のようにアクセルを踏み込むと、空回りするだけ。じんわり、ゆっくり発進することが大事です」(同)

 では、降雪地帯を走行する際、特に注意するべき場所はどこか――秋本氏によると、「橋とトンネルの出口」が、警戒すべきポイントだという。一般に、路面温度は0度を下回ることはない。しかし、橋は、橋そのものが氷点下の外気にさらされ、路面が凍結してしまう可能性があるのだ。また、トンネルの中と外では当然、気温差がある。そのため、トンネル内部の路面に問題はなくても、出口近辺は凍結している可能性があるのだ。しかも、トンネル内部を走る速度で凍結路面に進入すると、スリップする可能性が高いのは説明するまでもない。冬季にトンネルを走行する際は、出口が見えたら減速するのが肝要だ。

 また、「雪国で通行量の多い道や交差点などは、降ったままの雪が固められることで圧雪路面となります。圧雪路面とは路面がツルツルの状態で、まさにアイスバーンの状態。これは雪道以上に滑りやすいので、早い段階での減速が必要です」(同)

 凍結した路面の場合、スタッドレスタイヤを装着していても、制動距離は、時速40キロで最長78メートルに及ぶという調査結果もある。これは、乾燥路面(8メートル)の10倍となるため、警戒地点に差し掛かる際は、早い段階でのブレーキの踏み込みが重要だ。

■インターネットでチェーン装着方法動画をチェック

「もし、雪に乗り上げたりしてスタックした場合、タイヤは空回りしてしまいます。じんわり前後に動かして脱出できる場合もありますが、タイヤが一度空回りしてしまうと、通常は、この方法での脱出は難しいです。スコップで、車の周辺の雪、車のボディ下の雪をどかす作業をしてから、動かしてください」(同)

 また、先に触れたチェーン義務区間を通る場合には、当然、チェーンの装着方法を知っておく必要もある。インターネットで〈チェーン装着方法動画〉と検索すれば、実際に装着する様子が動画で公開されているので、簡単に確認することができる。

 常に最悪の事態を想定する必要がある冬の高速道路。危険箇所と同時に、積雪、凍結路面の運転方法もしっかり確認し、事故のない年末年始を過ごしていただきたい。

※今回は、「高規格幹線道路」だけでなく、「高速自動車国道に並行する一般国道自動車専用道路」、「地域高規格道路」、「その他の自動車専用道路」も高速道路として扱っています。また名称は基本的に通称名を用いており、法定路線名とは異なります。

■「首都圏」危険道路

■全国「高速道路」危険箇所

■「阪神大都市圏」「名古屋大都市圏」危険道路

■「福岡大都市圏」危険道路

「高速道路「激ヤバ危険ゾーン」魔のカーブや積雪・凍結に要注意!」のページです。デイリーニュースオンラインは、国土交通省高速道路自動車正月事故カルチャーなどの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る