古典にして頂点！ 『ゾンビ』(1978年)

ジョージ・A・ロメロ監督の傑作ホラー映画で、原題は『Dawn of the Dead』です。このロメロ監督こそが、のろのろ歩くよみがえった死者・生きている人間を襲って食べる・脳を破壊されると死ぬという、「ゾンビ」の概念を世界に知らしめた張本人です。現在まで続く全てのゾンビ映画はロメロ監督から始まったといっても過言ではありません。

同監督の『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド(原題：Night of the Living Dead)』(1968年)、『死霊のえじき(原題：Day of the Dead)』(1985年)を合わせてしばしばゾンビ三部作と呼ばれます。この『ゾンビ』は三部作の中では2作目に当たりますが、「外から誰も入れないようにして郊外のショッピングモールに立てこもる」という、よくある展開の原点となった映画でもあります。必見の1本です！

邦画の傑作ゾンビもの 『アイアムアヒーロー』(2016年)

花沢健吾先生の同名人気漫画を実写映画化した作品です。35歳ながらうだつの上がらない鈴木英雄は、ある日「女性が犬をかんだ」という不思議なニュースを目にします。それが異常事態の兆しでした。謎のウイルスの感染でゾンビと化した人が通常の人を襲い始めたのです。

作中では「ZQN(ゾキュン)」と呼ばれますが、人外の存在はほかならぬゾンビそのもの。邦画で本格的なゾンビ映画ができたという記念碑的な一本でもあります。鈴木英雄役の大泉洋さんの好演も見所の一つです。

新手のゾンビもの 『28日後…』(2002年)

暴力的な動物愛護協会が医療研究所を襲撃。チンパンジーがおりの外に解放されるのですが、そのチンパンジーは感染症にかかり凶暴化していたのです。チンパンジーが人間をかむとその人間も凶暴化。瞬く間に感染が広がり、人ならざる存在となった者たちによってロンドンは荒廃した場所に。感染から28日たって、病院で昏睡(こんすい)状態になっていたジムが目覚めると……というストーリー。

本作では「全力で走るゾンビ」が襲ってきます(正確には本作ではゾンビとは呼ばれません)。のろのろ歩くゾンビからならまだ逃げることができそうですが、走られると逃げるほうも必死。「足が速いゾンビ」というゾンビものの新たな地平を切り開いた一作です。

ゲームから実写映画に！ 『バイオハザード』(2002年)

『バイオハザード』はゾンビを退治するというサバイバルホラーゲームですが、これを映画化したのが本作です。ラクーンシティーにあるアンブレラ社で生物兵器「T-ウイルス」が漏れ出すという事故が起こります。記憶を失った女性・アリスは怪しげな洋館で目覚め、特殊部隊と共に事故現場へ赴くことになる……というストーリー。

アリスを演じるミラ・ジョボビッチは、ゲーム『バイオハザード』の大ファンという弟の助言もあって本作への出演を決めたそうです。

ゾンビものコメディーの傑作 『ショーン・オブ・ザ・デッド』(2004年)

ゾンビ出現によるパニックをどたばたコメディーとして描いた傑作です。家電量販店勤務の駄目男・ショーンは、やっぱり駄目男のエド、企業勤務のピート(エラそう)と一緒に男3人で暮らしています。ある日、目覚めてみると町中にゾンビが！ ショーンは彼女のリズと母親を助けにいこうとするのですが……というストーリー。

恋愛・友情・恐怖が程よくブレンドされたエドガー・ライト監督らしい作品です。ちなみに同監督はその後も『ホット・ファズ -俺たちスーパーポリスメン!-』など面白い作品を作り続けています。

他にも、ロメロ監督のゾンビの続編ともいえる『バタリアン』(1985年)、『28日後…』の続編『28週後…』(2007年)、ゾンビ映画とはいわないで宣伝したため劇場に集った女性客を驚愕(きょうがく)させた、ブラッド・ピット主演『ワールド・ウォーZ』(2013年)、アフリカ大陸にゾンビが！ な『ゾンビ大陸 アフリカン』(2010年)など、面白い作品がまだまだあります。
海外ドラマに目を向けると、『ウォーキング・デッド』は現在でも大人気でシーズン9を数えます。

ことほどさようにゾンビものは人気があります。今回ご紹介したゾンビ映画の中で未見のものがあったらぜひ見てください。面白いですよ！

(高橋モータース＠ｄｃｐ)

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