男性は過去に経験した痛みを記憶しストレスを受けるが、女性は過去の痛みからストレスを受けない(カナダ研究) (1/2ページ)
もちろん個人差はあるだろうが、かつて経験した痛みの記憶の仕方は男女によって違いがあるという。
カナダ、マギル大学とトロント・ミシサガ大学の研究者によると、男性(とオスのマウス)は過去に味わった痛みの経験をはっきりと覚えている。
その結果、かつてそれを経験した場所に戻ってくると、ストレスを感じこれから受けるかもしれない痛みに対して過敏になるという。
ところが女性(とメスのマウス)の場合、過去の痛みの体験からストレスを受けていないようなのだ。
・人間とマウスに痛みを味わわせる実験
人間(18~40歳の男性41名と女性38名)とマウスを対象に、被験者に部屋(あるいは実験用の容器)に入ってもらい、そこで熱による軽い痛みを前腕か後ろ足に与えるという実験を行った。
このとき、その痛みの強さを、人間の場合は最大100ポイントまでの痛みスケールで評価してもらい、マウスの場合は熱源から離れた速さで評価した。
実験の直後、さらに強い痛みを与える実験を続けざまに行なった。
人間の場合は、血圧計カフをきつく巻きつけて、20分間腕のエクササイズを行なってもらった。
これはかなり苦痛を伴うもので、痛みの100ポイントスケールで50未満と評価したのは、80名中たったの7名のみだった。
マウスの場合は、胃痛を起こさせるために薄めた酢を30分に渡り注入した。
こうして作られた苦痛の記憶が果たす役割を調べるために、さらに翌日、被験者の一部には同じ部屋(容器)に、残りには別の部屋(容器)に入ってもらい、再度腕か後ろ足に熱を当てた。
・男女で痛みの記憶に関して異なりを見せる
すると前回と同じ部屋に入った男性グループは、その熱の痛みを前日よりも強いと評価した。