花粉、鼻炎、風邪で「鼻がツライ!」ときにやってはいけないこと (2/3ページ)
■「鼻毛」は絶対に抜いてはいけない
顔の身だしなみとして大事なのが、鼻毛の処理。近年では、スティックに脱毛ワックスをつけて鼻の穴に入れ、一気に鼻毛を抜く方法も流行っている。
しかし、著者は「鼻毛を抜くのは絶対にやめてほしい」と述べる。
鼻の入り口にある鼻毛は、ホコリや細菌などの侵入を防いでくれる、いわば門番のような存在。
呼吸によって、のど、気管、肺につながる鼻に門番がいなければ、病原体は肺や体内に入り放題になり感染症にかかる危険性が高まってしまう。
また、抜いた毛穴に雑菌が入ると「鼻前庭炎(びぜんていえん)」という、鼻の入口が腫れ上がり、出血する病気になる可能性もあるという。
さらに、鼻毛は外から吸い込む空気の温度や湿度を調整する役割も持っている。気管や肺は、特に乾燥に弱く、乾いた空気をあびるとすぐに炎症を起こしてしまうため、鼻毛の存在は絶対に欠かせないのだ。
身だしなみのために鼻毛を処理するときは、「抜く」のではなく「切る」こと。
それも徹底的に短く刈り込むのではなく、外に出ないくらいにカットする程度が適切だろう。
呼吸は鼻と口、両方でするものと思っている人がほとんどだろう。しかし、著者曰く、人間は本来、鼻から呼吸をすることを前提に体の仕組みがつくられているという。
鼻は、超高性能のフィルターをつけた空気清浄機であり、加湿器であり、そして温度も調節してくれるエアコンの機能を兼ね備えている器官。その鼻を使って呼吸をすることで、私たちの体の機能は正しく働くようになっているのだ。
ところが、現代人は「口呼吸」をしていることが多く、それによって人間が本来持っている防衛装置である「鼻」が十分に働けていないのだ。
口呼吸が日常化すると、殺菌作用のある唾液が蒸発してウイルスや細菌が増殖したり、鼻のフィルターを通っていない外気がのどを直撃して扁桃が腫れるなど、さまざまな症状を引き起こす。
それは身体の免疫力を大きく下げ、鼻の不調にもつながっていく。
だからこそ、そもそも超高性能な器官である「鼻」で呼吸しているほうがいいのだ。