あの素晴らしい「昭和大ヒット曲」をもう一度(3)辺見マリ「経験」 (1/2ページ)

アサ芸プラス

あの素晴らしい「昭和大ヒット曲」をもう一度(3)辺見マリ「経験」

 69年に19歳で歌手デビュー。翌年に20歳で「やめて」というフレーズを吐息まじりに歌った辺見マリ(68)の「経験」(70年)は、ズバ抜けた色香で世に衝撃を与えた。

「経験」は代表曲ですけど、実際は2曲目のシングル。デビュー曲は「ダニエル・モナムール」という曲、当時とってもはやっていた“ジュテーム”という言葉を繰り返す曲をご存じかしら? 彼への愛の告白をテーマにしたフランスの香りを漂わせる曲で、私はデビューからセクシーさを意識していました。

 それがシングルランキングで35位くらい。そこそこの売れ行きではあったんです。でも、次は1位か2位のヒットを飛ばさないと、終わっちゃうんじゃないか‥‥。

 そういう焦りもあって、2作目の「経験」をいただいた時に、研究してできあがったのがあの振りです。テレビ局の化粧部屋で鏡に向かって、「どうやったら顔を隠さず、だけどみんなに印象づける手の振りになるかな」と研究を重ねた。あの頃、フィンガーアクションと呼ばれましたけど、あれはフラメンコを意識してできた踊りだったんです。

 実は当時、スペイン系のハーフだということを親から告白されたばかりで、フラメンコを習い始めたことと、そこに4歳から習っていたバレエのアレンジを加えて、自分で振り付けをしたんです。スタッフもみんな私の意見を取り入れてくれて、自由な時代でしたよね。親からの思いがけない告白、フラメンコ、バレエ、いろんな経験が重なって、「経験」はヒットした気がします。

──

 ただし、ヒットしながら紅白歌合戦で歌えなかったことが残念と振り返る。

──

 私たちの時代の紅白って、本番まで衣装を公開することはなかったので、リハーサルの際も出演者にはわからないように隠していたんです。あのセクシーな衣装で「経験」を歌うことを期待していたかなと想像しますけど、3枚目のシングル「私生活」で紅白には出られたので、それはそれでよかったですね。

──

 ところが辺見はその翌年71年、本当の私生活で西郷輝彦と結婚して引退。

「あの素晴らしい「昭和大ヒット曲」をもう一度(3)辺見マリ「経験」」のページです。デイリーニュースオンラインは、週刊アサヒ芸能 2019年 3/7号西郷輝彦辺見マリ経験紅白歌合戦エンタメなどの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る

人気キーワード一覧