第六感なのか?一部の人間の脳は地球の磁場を感じることができる(米研究) (3/4ページ)
また不思議なことに、被験者の脳は時計回りに回転する磁場にしか反応しなかった。強く反応した4名に数週間後も同様の実験を受けてもらったが、やはり結果は同じだった。
・人の脳が磁場を検出する仕組み
研究チームは、こうした反応の非対称性ゆえに、磁鉄鉱結晶が関係しているという説に賛成している。これはヒザラ貝、バクテリア、ミツバチ、伝書バト、イルカなどで確認されているものだ。
別の仮説として、目の中にあるクリプトクロムという青色受光タンパク質を生体磁気探知器として利用している(いわば量子コンパス)とする説もある。
しかし今回の実験結果は、これを裏付けていない。というのも、量子コンパスは磁場の軸しか検出できず、両極性まではわからないはずだからだ。この仕組みでは、北を指し示す磁場と南を指し示す磁場を区別できないのである。
一方、小さな磁鉄鉱結晶を含む特殊な感覚細胞があれば、今回の結果をすべて説明することができる。
しかもこれは直接、生理学的データが得られているものでもある。なにしろ25年前、人間の脳から生体鉄鉱の結晶が分離されているのである。
photo by istock
・磁場を感じる能力と方向感覚に関係は?
今回の結果に関して、さまざまな疑問が浮かんでくる。