妻は与謝野晶子!男性の強さと繊細さを詠んだ、与謝野鉄幹の短歌を紹介 (1/3ページ)
歌集『みだれ髪(明治三十四1901年)』や『君死にたまふことなかれ(同三十七1904年)』をはじめ、古典『源氏物語』の現代語訳など多彩な文芸活動で知られる明治~昭和の歌人・与謝野晶子(よさの あきこ)。
授業で習った記憶にある通り、豊かな男女の情愛を自由に詠み上げた浪漫主義者として有名ですが、彼女のパートナーもまた、負けず劣らず情熱的な歌人でした。
与謝野鉄幹(本名:寛)、Wikipediaより。
その名は与謝野鉄幹(てっかん)。今回は鉄幹の詠んだ一首の短歌を紹介したいと思います。
「われ男(を)の子 意気の子 名の子 つるぎの子
詩の子 恋の子 あゝもだえ(悶え)の子」※『明星』明治三十四1901年3月号より。
口に出して詠んでみると、実に「の子」が七つも連続し、小気味よくリズムが刻まれています。
通常だと、「……の……の……」と続く文章はあまり美しくないものですが、ここまで徹底して連続させると、かえって様式美すら感じてしまいます。
あふれ出す愛情・男性の強さと繊細ささて、さっそく短歌を読み解いてみましょう。
その前半(五・七・五)は「われ男の子……」と宣言する通り、日本男子の「強さ」をこれでもか!とばかりに主張しています。