脳に電気ショックを与えることで高齢者の記憶力を20代まで回復させたという実験結果が報告される(米研究) (1/3ページ)
雷が頭に直撃したら、急に天才になっちゃった――。
このマンガのような話は、完全な与太話でもないのかもしれない。実際に脳に損傷してから天才になったというアーティストや学者も存在する。
今回発表された研究によると、脳に電気刺激を流すことで、高齢者の作業記憶を若い頃と同じくらいまで回復させることに成功したという。
・年齢とともに衰える作業記憶
「作業記憶(ワーキングメモリ)」とは、ある状況でものごとを判断するために、名前や電話番号といった関連性のある情報を一時的に保持して、いつでも使えるようにしておく能力のことだ。
大切な認知機能なのだが、残念なことに、この能力は年齢とともに衰えてしまう。なにも認知症にならなくても、誰だって年をとれば普通に低下してしまうのである。
ところが、この作業記憶の衰えは絶対不変のものではないというのが、今回研究を行った、アメリカ、ボストン大学の神経科学者のロバート・ラインハルト氏だ。
年齢による作業記憶の低下は戻すことができるし、さらには若い時よりも優れた作業記憶を蘇らせることも可能だという。
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・作業記憶を衰えさせるシンクロ率の低下
加齢によって記憶力が衰えるといっても、年齢は能力が低下する理由の一側面でしかない。