【ココ・シャネル】肉体としての死と同様に才能にも死は訪れるのか (1/2ページ)

心に残る家族葬

【ココ・シャネル】肉体としての死と同様に才能にも死は訪れるのか

肉体の「死」と同じように、人間の才能にも「死」は訪れるのだろうか。そしてその才能は、一度死ねばもう二度と生き返る事はないのだろうか。スイスのボア・ドゥ・ヴォー墓地で眠っている偉大なファッションデザイナー、ココ・シャネルの生き方を通して、クリエイターとしての死とは何なのか、そしてクリエイターとしての死からの再生について考えてみたいと思う。

■クリエイターとしての死とは

ファッションデザイナー、建築家、画家やミュージシャンなど、クリエイティブな仕事に携わる者には、必ず、人間としての死の前に、クリエイターとしての死が訪れる。クリエイターとしての死とは、創造力が無くなる事、いわゆる「才能の枯渇」である。



■いつの間にか創造をしなくなる。時間をかけてゆっくりと死に至る。

昨年、あるブログで、そのクリエイターとしての死を「デザイナーとしての『ゆるやかな死』」と表現し、日本のデザイナーの間で注目を集めた。クリエイターは、若い頃はアイデアが湯水のように溢れ出て来る。それが当たり前で何の疑問も抱かない。そして、スキルがあるレベルに達すると、クリエイターは決まったひな形をアレンジするだけで、それなりのクオリティの作品が作れるようになる。そしてクリエイターはふと気づく。「自分は何も創造していない」と。クリエイターは、いつの間にか「職人」になってしまったのだ。これが、クリエイターとしての死であるが、この死は、ゆっくりと長い時間をかけて訪れるため、クリエイターは末期になるまで自覚症状がない。そして、その症状に気付いた時、視点を変え、新たな刺激を感じ、再び作品を生み出せるかどうかが、クリエイターとしての生死の分かれ道だろう。

■真のクリエイター ココ・シャネル

フランスのファッションデザイナー、ココ・シャネルの人生は、クリエーターとして死なない生き方を体現している。シャネルの名を一躍有名にしたのは、1916年に発表した伸縮性のあるジャージー素材のドレスだった。シャネルは、当時の女性達をウェストをきつく締め付けるコルセットから解放したのだ。

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