事故で昏睡状態に陥っていた女性、27年ぶりに目覚める(アラブ首長国連邦) (1/5ページ)
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長い間、昏睡状態に陥ると意識が戻るケースはとても少ない。回復が見られないまま、最悪の場合は、呼吸や循環などの機能だけを残して生存し続ける植物状態のまま命を落としてしまうこともある。
しかし、この世には奇跡というものが起こり得るのだ。
交通事故で深刻な脳の損傷を負い昏睡状態に陥っていたアラブ首長国連邦(UAE)在住の女性が、昨年、実に27年の月日を経て、長い昏睡状態から覚醒したという。
・乗っていた車がバスと衝突、脳に深刻な損傷を負い昏睡状態に
1991年のその日、当時32歳だったムニラ・アブドゥラさんは、4歳だった息子ウマル君の成長をまさか今後27年も見られない事態になるとは予想もしていなかった。
学校にウマル君を迎えに行った帰り、義弟が運転していた車がスクールバスと衝突。後部座席にウマル君と乗っていたムニラさんは、激しい衝撃を受ける直前、咄嗟に息子を抱きしめた。
そのおかげで、ウマル君は激突から逃れ、頭部に痣ができた程度で済んだ。しかし、ムニラさんは脳に深刻な損傷を負ってしまった。
当時、携帯電話を持っていなかったためすぐに救急車を呼べず、事故後ムニラさんは数時間も治療が受けられない状態だったという。
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・複数の国の異なる病院施設を転々とした後、ドイツの病院へ
やがて病院へ搬送されたムニラさんは、その後イギリスのロンドンにある病院へと移された。