男らしすぎる!天下人・豊臣秀吉が称賛した大名・鍋島直茂の活け花エピソードを紹介 (2/4ページ)

Japaaan

出来る者は存分に腕を奮い、出来ない者も見よう見まねでそれなりに花を活けていく中、身動ぎ一つせぬ者がおりました。

鍋島直茂肖像。Wikipediaより。

彼の名は鍋島直茂(なべしま なおしげ)。かつて討死した主君・竜造寺隆信(りゅうぞうじ たかのぶ)の跡目を継いで苦境の血路を斬り開き、肥前(現:長崎県)の大名となった傑物です。

そんな直茂は配られたままの花と、水を湛えたまま空の花器を前に「出来申す」と申告しました。

「どれどれ……直茂は如何に活けたかのう(※心の声:ふふん。肥前の田舎大名が、どんな花を活けたか見てやろう)」

秀吉が楽しみ(意味深)に直茂の席までやって来ると、果たして最初に配られたままの花と花器があるばかり。

「なんじゃ直茂。出来ておらぬではないか」

(さては華道の素養がないものじゃから手も足も出ずに音を上げおったか?……出来ずとも、少しはいじくれば良かろうに、存外だらしのない男じゃのう)

そう失望する秀吉でしたが、直茂の意図は違いました。

「花はわろく候へども……」秀吉の称賛

「ただ今、出来申す」

そう言うなり直茂は置いてある花の束を両手いっぱいに掴みとると、畳にトントン叩いて茎の末端を揃えます。

そして直茂は両腕に懇親の力を込めて、両手に掴みとっていたすべての花を真っ直ぐ剣山に突き立てました。

華道の場らしからぬ大きな音に、近くに同席していた一同は驚愕したことでしょう。余りの気迫に一瞬怯んだ秀吉に、直茂はぐいと花器を突き出します。

「男らしすぎる!天下人・豊臣秀吉が称賛した大名・鍋島直茂の活け花エピソードを紹介」のページです。デイリーニュースオンラインは、鍋島直茂葉隠華道武士道武士カルチャーなどの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る