男らしすぎる!天下人・豊臣秀吉が称賛した大名・鍋島直茂の活け花エピソードを紹介 (3/4ページ)
「……出来申した」
しばし沈黙の後、秀吉は呵呵大笑。直茂の意図するところが理解できたのでした。
武士(もののふ)の 華(はな)と申さば 戦場(いくさば)に
立てし武勲(いさを)と 丈夫(ますらを)の道
(戦場で立てる武勲と「漢(おとこ)」の道こそ、武士の精華すなわち生き様、人生の見せ場である)
今や天下を掌中に収め、文弱に流れつつある豊臣政権への警告か、あるいは単に華道に暗き故の破れかぶれか……いずれにせよ、直茂の武骨な潔さに胸がすいた秀吉はこれを称賛。
豊臣秀吉像。
「花はわろく候へども、立て振りは美事。」
※『葉隠聞書』第三巻 七より。
秀吉もまた戦国乱世を闘い抜いた一人の武士として、心通じるものがあったのでしょう。
終わりにとかく平和になると武辺者は疎んじられ、時流に乗って賢(さか)しらに立ち回る器用者が重んじられ、出世していくのが世の習い。
しかし、その平和な世は不器用な者たちが戦いの末に勝ち取ったものであり、そんな武士としての意地が、今回のエピソードに感じられます。