コウモリのような翼を持つ恐竜の化石が発見される。そこには恐竜が空を飛ぶための試行錯誤の痕跡が(中国) (2/3ページ)
image credit:Chinese Academy of Sciences
・翼をはばたきながら飛んでいたのか??
今の時点では、彼らがその翼をどのように使っていたのかは明らかではない。
論文の筆頭著者である中国科学院古脊椎動物学・古人類学研究所の王敏氏は、羽ばたけた可能性は低く、ちょうど現代のムササビやモモンガと同じく、グライダーのように滑空したのでは? と話す。
彼らが羽ばたいて空を飛んだのか、あるいは鳥との類似点の有無については、空を飛んだ恐竜の脳の解剖学的特徴から類推できるようにはなるかもしれない。
ただ、残念なことにアンボプテリクスの場合、悠久の時間が経過しているおかげでぺったりと潰れてしまっており、今の時点ではその特徴を詳しく調べることができない。
image credit:Chinese Academy of Sciences
・木々を滑空しながら、なんでも食べた
だがこの化石で興味を惹かれるのは、それが羽ばたいて飛んだかどうかという点だけではない。
なにしろこの仲間のものとしては最高の化石であり、長年研究者の首を捻らせてきた不可思議なスカンソリオプテリクス科について詳しく調べる絶好のチャンスなのである。
たとえば、その腹腔内からは砂嚢のように食べものの消化を助ける小石が見つかっているほか、死ぬ直前に肉を食べていたらしく、骨のかけらも見つかっている。
また歯を見る限り、アンボプテリクスはおそらく雑食性であっただろうことが窺える。