歴史を象徴する5枚の有名な写真の真実。実はどれも捏造されていた。 (6/7ページ)
「シティ・ポイントのグラント将軍」と題された写真は、南北戦争での熾烈な戦いに勝利した直後に、当時北軍の将軍だったユリシーズ・グラント第18代アメリカ大統領を写したものだとされている。
Library of Congress
馬に乗ってカメラ目線の彼だが、表情は冷静沈着そものも。むしろ、どうでも良さそうな仏頂面なのが気になる。
写真は1902年以降、市役所や博物館で掲示され、女たちにキャーキャーと黄色い嬌声あげさせ、また男たちはこれを見て愛国心を鼓舞してきた。
だが、これは現実には起きなかった場面だ。
これは20世紀前半に従軍兵の姿を本物よりも勇壮に演出した写真で一儲けしたL・C・ハーディの手によるものとされ、戦時中に撮影された3つの写真を合成したものだ。
Library of Congress
本当にグラント自身なのは頭の部分だけである。華々しい勝利の後だというのに、便秘にでもなったかのようにムッツリと不機嫌そうなのはそういうわけだ。