松本人志も憂いた…契約書ナシの吉本興業に毎年1000人の芸人が集まる理由 (2/2ページ)

アサジョ

吉本は『ルミネthe吉本』や『なんばグランド花月』など、お笑いの世界では極稀な自社保有の大規模劇場を持つプロダクションであり、テレビや営業の仕事を持てない若手を自由にステージに立たせることができます。これは新人芸人にとっては非常に大きなアドバンテージであり、同劇場での手伝いや告知作業など、様々な雇用を創出することにも繋がっています。かつてダウンタウンの松本人志はラジオ番組内で『吉本の若手は劇場の仕事があるから無理してテレビに出なくてもそこそこ食っていけるようになってる』と話し、若手のハングリーさが減退していることを憂いていたほどです。そういった環境は吉本所属タレントにしか享受できない特権であり、他の事務所に属する新人芸人からすれば憧れの的ともいえるでしょう」(テレビ誌ライター)

 また、テレビ番組のオーディションにおいても「吉本興業の芸人か、それ以外か」といった分別がされてしまうほど、“吉本芸人”という属性は大きなブランドとなっており、それはひとえに、同社が誇る圧倒的な人気や歴史、そしてやすしきよしや桂三枝、明石家さんま、島田紳助氏、ダウンタウンといった華やかなレジェンドたちによる業績の賜物である。

 前述した通り、同社の芸人養成所には東京・大阪校を含め毎年1000人規模の新人が集まる“超人気”状態となっており、他のプロダクションのように1人のタレントにつき1人のマネージャーをあてがうことはほぼ不可能な環境だ。そのことが、ずさんなタレントの管理や法的関係の不行き届き、さらには適正量の仕事の割り振りを困難にしているにせよ、会社側からすれば“文句があるならいつでも出て行ってもらって構わない”といったところだろう。

 事実、ブレイクまでに相当の時間と労力を必要とし、弱小事務所から成り上がったサンドウィッチマンやくりぃむしちゅーといったお笑い芸人らは口を揃えて吉本興業が誇る強い影響力への羨望を口にしており、肝心の吉本所属タレントの口から出るのは“カネの話”や恨みつらみばかりだ。

 キートンしかり、吉田しかり、天下の吉本興業に在籍していることのアドバンテージや、“吉本芸人”を名乗ることを許される特権的立場を今一度認識し直す必要があるといえるかもしれない。

(木村慎吾)

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