麒麟・川島明『なつぞら』有田哲平以来の大役で俳優としてブレイクか?

日刊大衆

※画像はNHK『なつぞら』番組公式ホームページより
※画像はNHK『なつぞら』番組公式ホームページより

 連続テレビ小説なつぞら』(NHK)は、ヒロインのなつ(広瀬すず/21)が念願のアニメーターとなり、“お仕事ドラマ”として波に乗ってきた。なつを取り巻く先輩たちはいずれも個性的だが、先日の放送でもなつと、ある先輩アニメーターとのやりとりがすてきだった。まずは6月19日の放送を振り返ってみよう。

 東洋動画のアニメーターになったなつは、行方知れずの妹を思いながらも次回作『わんぱく牛若丸』のキャラクター、常盤御前のイラスト案を仕上げる。翌日、会社に遅刻したなつだが、仲(井浦新/44)の推薦もあり、なつのイラスト案が候補のひとつに選ばれた。しかしなつはそれでも妹のことで気落ちしていて、下山(川島明/40)はそのことを見抜く。下山は落ち込むなつに、かつての警察官時代の話をして励ますのだった。

 感動話を披露したり、「奇跡なんてもんは案外、人間が当たり前のことをする、勇気みたいなもんだよ」と名言が飛び出すなど、この回の主役は下山役である麒麟の川島明だった。なつを演じる広瀬すずとの2人芝居に動じることなく、見事にアニメーターの先輩、下山を演じきっていた。これには、ツイッターのトレンドワードに「麒麟川島」の名前が挙がったほどだ。

『なつぞら』が始まった当初こそ、ただのちょい役と思われていた川島だが、ここにきて少しずつその存在感を増してきている。川島の優しく実直そうな人柄が、とぼけたところがありつつ人間味のあふれる好青年、下山役に見事ハマっているのだ。下山は後に『ルパン3世シリーズ』の作画監督を務めたことで知られる、伝説のアニメーター、大塚康生がモデルとも言われている。それだけに今後も川島の演技には注目したい。

■川島明も俳優業に本格進出?

 近年は芸人が俳優として活躍することも珍しくない。ことに朝ドラは、芸人出身の俳優を上手に起用してきた実績がある。2015年下半期の『あさが来た』で、ヒロインのあさ(波瑠/28)に尽くす女中のうめを演じた友近(45)は、切ない恋のシーンも用意された大役だった。

 17年の上半期の『ひよっこ』では、エレキコミックのやついいちろう(44)、南海キャンディーズ山崎静代(40)が、それぞれ強い個性を発揮。18年上半期の『半分、青い。』では、くりぃむしちゅー有田哲平(48)が、最終盤のキーマンとなる津曲役に抜擢されている。分かりやすさが求められる朝ドラでは、すでに十分キャラ立ちしていて知名度も高い芸人俳優は、重宝されているのだ。

 川島は今回で09年上半期の『つばさ』以来、10年ぶりの朝ドラ出演となる。上に挙げた芸人出身俳優は朝ドラで役者としての株を上げたが、川島はどうか? レギュラー番組を多数持つ人気芸人だけに、俳優業に力を入れられるのかは分からないが、『なつぞら』で見せるあたたかな演技は俳優としての新境地と言える。さすがになつが下山さんと恋に落ちることはなさそうだが、『なつぞら』が俳優・川島明の代表作となることは、間違いない。(朝ドラ批評家・半澤則吉)

※画像はNHK『なつぞら』番組公式ホームページより

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