プロレスラー世界遺産 伝説のチャンピオンから未知なる強豪まで── 「KENTA」米国WWEを経てさらなる伸びしろに期待 (2/3ページ)
「イタミ」はアメリカでも人気の漫画『NARUTO−ナルト−』の敵役“ペイン六道”に由来したもので、ペインを和訳した“痛み”が「イタミ」になったとされている。
「WWEにおいてはメジャータイトル獲得などの目立った活躍はありませんでしたが、これは肩の故障による長期離脱の影響が大きい。あと、やはり日本人選手にとっては英語の問題があり、流暢にしゃべれないとどうしてもいいアングルに恵まれづらいですね」(同)
そのスタイル自体が否定されたわけではなく、組まれた試合ではしっかりと見せ場をつくっていただけに、一概にWWEで失敗したとは言い切れないだろう。
★対ブサイク用のオリジナル殺法
ヒデオ・イタミへの改名やWWE移籍による日本での空白期間に加えて、得意技の名称が○○絞めや××落としなど定型のものではないことも、昭和のおじさんたちがとっつきにくい一因であろうか。以下がKENTAの代表的な技である。
Go 2 Sleep(ゴー・トゥー・スリープ)
相手をうつ伏せの形で両肩に担ぎ上げ、自分の正面に落下させたところに合わせ、膝を突き上げて顔面などにぶち当てる蹴り技。カナディアン・バックブリーカーのように担いでから、相手の後頭部に膝を合わせる「裏Go 2 Sleep」もある。GAME OVER
相手の左腕を両脚で固めてから(柔術技オモプラッタの要領)、フェイスロックを極めてキャメルクラッチ風に反り上げる。対ヘビー級戦での必殺技。
ブサイクへのヒザ蹴り
打撃のコンビネーションから相手をロープに振り、戻ってきたその顔面に目掛けて飛び上がっての膝蹴り。このとき膝を折り畳み、己の体を反るようにして直線的に突き上げるのがジャンピング・ニーパットとは異なる点。
ノア時代、金丸義信との対戦に際して、当時のタッグパートナーだった杉浦貴が挑発をかねて命名したもの。鈴木鼓太郎にこれを決めてピンフォールを奪ったときには、「鈴木鼓太郎への膝蹴り」と発表されたこともあり、あくまでもKENTAがブサイク認定した相手に対してだけ、この呼び名になるということか。新日参戦時は、誰に対してこの技名が使われるのかも見どころの一つとなる。